大阪府の吉村洋文知事(46)は19日、府庁で定例会見を開き、コロナ対応の特措法に基づく政府の基本的対処方針について「株の特性が変わってるのに基本的対処方針が同じなのはおかしい」と述べ、国に対してオミクロン株に対応したコロナ対策の基本的対処方針の“変更”を求めることを明らかにした。

基本的対処方針に基づき適用される「まん延防止等重点措置」では知事が飲食店に時短営業や酒類提供の停止を要請できる。吉村知事は「飲食の場は感染が広がりやすいが、感染拡大力が非常に強いオミクロン株では、飲食店に限ったことではない。時間の制限、飲食店に限った制限で、どこまでオミクロン株の感染拡大力を抑えることができるのか」と強い疑問を呈し、「ここについて専門家、国の議論がない」と語気を強めた。

オミクロン株の対策として知事の“武器”について「いまの状態だと時短しかない。選択肢がない」と不満を漏らし、「オミクロン株の特性に合った議論をやっているのかな。いまのままでいいのかとう疑問がある。これは多くの人が感じていることはではないかと思う」と話した。

一方で「傍観はできない」と病床使用率について言及した。府内の病床使用率が35%に達した場合に「まん延防止等重点措置」の適用を要請する方針。「病床の使用率が35%に近づきつつあるので、まん延防止が必要になる可能性は高い。そのときは判断する」と話した。

「国は従来の基本的対処方針をそのまま“流用”せず、オミクロン株の症例の特性を公表を要望する。いかほどの人が重症化し、いかほどの人が中等症になっているのか。それを防ぐためにはどうすればいいのか。(重症化などの)パーセンテージとともにコロナをどう向き合うのか。本質的な議論の前提として、情報公開してほしい」と強く求め、「基本的対処方針をオミクロン株の合わせたものに変えるべき」と話した。

大阪府は19日、新型コロナウイルスに6101人が感染し、2人が死亡したと発表した。1日当たりの感染発表数としては18日の5396人に続き2日連続で最多を更新した。【松浦隆司】