ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、トルコでの停戦交渉を前に、敵国ロシアの記者らと異例のオンライン会見を行った。関係国による安全保障を条件に北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念する「中立化」を受け入れ、核武装も否定する用意があると述べた。ロシアの要求に一定の妥協を示し、停戦を強く働き掛けた。オンラインで続けてきた停戦交渉は近く、イスタンブールで対面形式で再開する見通し。

ロシア当局は会見の報道を禁じた。ゼレンスキー氏は、クリミア半島や東部の親ロ派支配地域を武力で取り戻すことはないと強調し、合意文書に盛り込む考えも示唆した。ロシアは停戦条件としてウクライナ憲法を改正しNATO非加盟を確実にする改憲を要求。ゼレンスキー氏は、ロシア軍が撤退した上で、ロシアを含む周辺国などと条約を結んで自国の安全保障を確約させる必要性を強調。国民投票で中立化の是非を問い、1年以上かけて改憲に至る道筋を示した。非武装化は議論に応じるつもりがないとした。ウクライナ高官は、ロシアが「ウクライナに韓国と北朝鮮をつくる」ようなシナリオを描いていると非難した。

ロシア軍は、誘導ミサイルによる空爆に力を入れ始めた。戦死者急増で戦術転換を迫られた形。ウクライナ最高会議関係者は、北部チェルノブイリ原発周辺の立ち入り禁止区域で戦闘による森林火災が発生。土壌中の放射性物質が放出され、欧州へ拡散する恐れがあると警告した。