キャスター池上彰氏(71)が10日、第26回参院選のテレビ東京系選挙特番「池上彰の参院選ライブ」(午後7時50分)に生出演し、岸田文雄首相(64)への中継インタビューで今後の政治活動について鋭く切り込む場面があった。

途中経過ながら選挙戦で自民党が大きな支持を受ける形となった。池上氏は今後3年間、選挙が行われない「黄金の3年間」についての質問をぶつけ、岸田首相は「黄金の3年間という考え方はとっておりません。歴史を画するような課題、コロナ、ウクライナ、物価高騰とうと山積しております。ひとつひとつ、まずは乗り越えなければいけない。そして日本の経済再生に本格的に真剣に取り組んでいきたい」と冷静に語った。

また、岸田首相の良き相談相手でもあった安倍晋三元首相が8日に銃撃にあって命を落とした件については「本当に大きなショックを受けていますが、目の前の歴史的な有事の課題を考える時には、結束がやはり大事。これを大事にしながら政権を前に進めていきたい」と力を込めた。

さらに池上氏は岸田首相が答弁で「検討し~」というフレーズを繰り返すことから一部で「遣唐使」をやゆした「検討士」と呼ばれていることにも言及。岸田首相は「私の口癖であると思います。そのように言われていることは重々承知しております。しかし、それは議論を進めていくべき所は、しっかり行うんだということを申しているのであります。ひとつひとつの結果についても、今積み重ねつつあります。ぜひ議論を進め、そして結果を出す。この結果をしっかり示していくことが大事だと思います」と答えた。

番組には6月に18歳の誕生日を迎えて有権者となった俳優の鈴木福(18)や勝俣州和(57)、宮崎美子(63)らがゲスト出演。鈴木と勝俣は岸田首相へ向け「若者が投票にいきたくなるような政治」「女性活躍社会」を要望。岸田首相は2つの意見に共通することに「多様性」を挙げ「自分たちが生き方を選択できる社会を作っていく、こうした取り組みが大事なのではないかと思います。ぜひ経済をしっかり再生するのと合わせて、多様性が尊重され、それぞれが自分の生き方を選びとれる社会を作っていく、これが我々の目指す社会ではないかと思っています」と回答した。

鈴木は「僕たち世代が政治により関心を持てるような大きな政策、僕たちが知らなければいけない政策がなければ今後は難しいのかなと思いました。しっかり見ていきたいと思います。楽しみな部分があります」と語った。

一方で宮崎は「多様性…あんまり私はストレートに若い人に刺さるような感じではなかったかなと思いました」と苦笑いを浮かべ、勝俣も「検討中じゃなくて実行に移す。これだけ大きな支持を得たのですから実行に移す総理になってほしいですね」と意見を述べていた。