将棋の最年少7冠、藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=21)が全8冠制覇を目指して永瀬拓矢王座(31)に挑戦する、第71期王座戦5番勝負第4局が11日、京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で行われ、後手の藤井が勝ち、シリーズ対戦成績を3勝1敗とし、王座を奪取し、史上初の全8冠制覇を達成した。14歳の中学生でプロとなってからわずか7年、21歳2カ月で棋界の頂点に駆け上がった。
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関西大の宮本勝浩名誉教授(78=理論経済学)は藤井聡太竜王が前人未到の全8冠制覇を達成後、1年間の経済効果を約35億3487万円の試算している。宮本氏は「個人プレーヤーとしては空前絶後の経済効果」と驚きを隠せない。
宮本氏が注目するのは、タイトル戦での藤井の勝負メシやおやつ。「例えば、高槻市で藤井さんが対局した時に口にしたおやつ『はにたん最中』(1個約280円)があっという間に10万個を売り上げた」。
藤井は全国を転戦するタイトル戦の対局場所でのおやつ、勝負メシで「地産地消」に一役買う。師匠の杉本昌隆八段によると、「空き時間に地元の特産品や、鉄道の経路、走っている特急などを調べているようだ」という。
特にファンを動かすのがおやつ。21年6月、対局中のおやつに藤井が「ぴよりんアイス」を選んだことから、その知名度は一気に全国区となった。名古屋生まれのひよこ型スイーツ「ぴよりん」。ふわふわのボディの中には名古屋コーチンの濃厚なプリンが入っている。販売しているJR名古屋駅構内では、相変わらず行列ができる。
同じカワイイ系洋菓子では、「コロコロしばちゃん」(21年叡王戦第5局=東京・千駄ケ谷)、「かっぽんベリー・ピスタージュ」(22年王位戦第2局=札幌市)などが脚光を浴びた。
タイトル戦の招致先によっては市内の飲食業者におやつ、勝負メシの候補を募り、「おやつ投票制」で市民参加を促すケースもある。昨年10月、竜王戦第3局を開催した静岡県富士宮市で、おやつの投票に参加したある女性は「自分が投票したおやつが、藤井さんに食べてもらえたらうれしい」と話した。“藤井効果”は地域振興にも貢献している。【赤塚辰浩、松浦隆司】

