スピード決着で2人の「レジェンド超え」を視界に捉えた。将棋の藤井聡太王将(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・棋聖=21)が菅井竜也八段(31)の挑戦を受ける第73期ALSOK杯王将戦7番勝負第2局が20、21の両日、佐賀県上峰町の老舗料亭「大幸園」で行われ、先手の藤井が113手で菅井を破り、シリーズ対戦成績を2勝0敗とした。開幕2連勝で王将3連覇と、タイトル戦最長記録の20連覇にあと2勝とした。
第3局は27、28日に島根県大田市の「さんべ荘」で行われる。
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対局場となった高台にある老舗料亭「大幸園」からは、筑紫平野、佐賀平野が見渡せる。遠くには阿蘇山、普賢岳が見えるパノラマ展望。絶景の舞台で、藤井が振り飛車のスペシャリスト菅井に逆転のきっかけすら与えず、完勝した。
「こちらの玉が安定した形で戦いを起こすことができた。そのあたりからペースをつかめた」。藤井の先勝を受けての第2局の戦型は第1局に続き、三間に飛車を振る「三間飛車」。藤井は居飛車穴熊で堅い陣形を守り、中盤に優勢を築くと、着実にリードを拡大した。終局時間の午後3時26分は、藤井の2日制7番勝負では22年11月の竜王戦7番勝負第4局、対広瀬九段戦の午後3時21分に続く、歴代2番目となるスピード決着となった。藤井の王将戦7番勝負では歴代最速決着だ。
昭和のレジェンド・故大山康晴15世名人の大記録を視界に捉えた。タイトル戦の最長記録は大山15世名人が1963年(昭38)の第22期名人戦から66年の第25期名人戦まで達成した19連勝がある。藤井は20年の初タイトル獲得以降、19度のタイトル戦では1度も敗退することなく19連勝中。“大山超え”にあと2勝に迫った。
もう1つのレジェンドの大記録更新も現実味を帯びてきた。この日放送された第73回NHK杯トーナメント3回戦で、久保利明九段を下した。これで本年度の対戦成績は38勝6敗、勝率は8割6分3厘。中原誠16世名人(76=引退)が67年度に記録した47勝8敗、8割5分4厘の年度最高勝率を56年ぶりに更新する可能性もある。最強の相手を迎えるタイトル戦を戦いながらの“中原超え”は驚異的だ。
第3局は約1週間後に始まる。「しっかりと状態を整えたい」。一気に“レジェンド超え”に王手をかける。【松浦隆司】

