海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)で漫画を不正に公開されて被害を受けたとして、KADOKAWAと集英社、小学館の出版大手3社がサイトの元運営者に計約19億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、出版社側の出版権や独占的利用権が侵害されたと認め、計約17億円を支払うよう命じた。出版社側は海賊版サイト被害を巡る訴訟では過去最大の賠償額としている。

元運営者の星野路実氏(32)は同日、YouTubeチャンネルを更新。動画で心境を語った。

判決前は「もう裁判起こされてから1年半以上が経過しました」「この民事は負けたとしても、ないところから取れないんですよ。だから刑事事件に比べてなんだろう、刑事だと負けたら刑務所行きになっちゃうんですけど、民事だったら別に、はいそのまま、お帰りくださいていう風になるので、気持ちはすごい楽です」と語っていた。

判決後には「この裁判は、時効で争っていて。著作権の時効が3年なので、それを超えてから提訴されたから、賠償責任はないっていう風に主張してたんですけど、もうほぼ満額の損害賠償が認められてしまったので、不満か不満じゃないかって言われたらものすごく不満持ってます」と語った。

さらにX(旧ツイッター)では「大谷翔平の水原-24億 漫画村の星野ロミ -18億 芸人粗品 -2億 こう考えるとたいした事ないな」と投稿。ドジャース大谷翔平投手の元通訳、水原一平容疑者が大谷の銀行口座から不正送金したとされる約24億円や、霜降り明星粗品が自身のYouTubeなどを通じて「生涯収支マイナス2億円君」として競馬の予想をしていた際に公言していた金額を引用した。

判決などによると、漫画村は国内最大の海賊版サイトで、遅くとも2016年2月ごろに開設。18年4月に閉鎖されるまで、約5億3700万件のアクセスがあったとされる。

出版社側は「ケロロ軍曹」「キングダム」など3社が刊行している人気の高い17作品について被害額を算出し、小学館は約10億円、KADOKAWAと集英社はそれぞれ約4億円の損害が生じたと主張していた。

星野氏は漫画村を巡り、著作権法違反などの罪に問われ、懲役3年、罰金1000万円、追徴金約6200万円とした21年6月の福岡地裁判決が確定。服役後、同地裁に再審請求している。