藤井聡太名人(竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖=22)への挑戦権を争う、将棋の第83期A級順位戦プレーオフ、佐藤天彦九段(37)対永瀬拓矢九段(32)戦が4日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。午前10時から始まった対局は先手の永瀬が勝ち、初の挑戦権を獲得した。佐藤の6年ぶり5回目の名人戦登場はならなかった。

角交換からの向かい飛車を採用して、佐藤は勝利を目指した。終盤の勝負どころで馬を4筋に引いた。永瀬陣の7筋の飛車と刺し違えて攻め続ける手もあった。「チャンスがあるとすれば、あのあたりだった」と盤を見つめた。

一昨年の途中から振り飛車を採用し始めた。トップ棋士10人総当たりのA級順位戦で、今期から初めて振り飛車を主体に戦った。2月27日に静岡市「浮月楼」で行われた最終9回戦の一斉対局の前までは6勝2敗と単独トップを走っていた。勝てばスンナリ挑戦権という状況で、昨年の竜王戦挑戦者だった佐々木勇気八段に敗れた。5勝3敗と2番手で追う者同士の永瀬と、今期の棋王戦挑戦者の増田康宏八段の同星直接対決で勝ち上がった永瀬とのプレーオフで屈した。

「いい結果が残せた気もする。どうしても、作戦的に大変な面もかなりあるという思いも強くした。そのあたり、リーグの終盤でいい作戦を投入できなかったのが課題」と振り返る。来期までの練り直して、再度活躍を期待したい。