藤井聡太竜王(名人・王位・王座・棋聖・棋王・王将=23)が5連覇と「永世竜王」獲得に好発進した。

4日、将棋の第38期竜王戦7番勝負第1局(東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」)で、昨年に続いて挑戦者となった佐々木勇気八段(31)を下した。3日午前9時からの2日制で始まった対局は、4日午後4時21分、75手で快勝した。第2局は16、17日、福井県あわら市「あわら温泉 美松」で行われる。

予想外の開幕局で藤井が鮮やかな対応を見せた。後手佐々木からの誘導で横歩取りと、予想外の戦型になる。同日夕方の封じ手にも佐々木が67分費やす予想外の展開。再開時の指し手からも予想外の攻め合いへと進んだ。「構想力が問われる展開」と称したが、2日目の午前中に香得すると、それを生かした攻めでしっかり白星をつかんだ。

今シリーズ、藤井は「対応力」を課題に挙げた。開幕局からいきなり試された。シリーズ前、「勝ちに行く」とドストレートな発言をしていた佐々木に対し、藤井は懐を広げて受けて立った。いわばドジャースの佐々木朗希投手の160キロを超える速球に、今年6月に亡くなった長嶋茂雄読売巨人軍終身名誉監督が「さあ、いらっしゃい」とばかりに打席に立ってはじき返したようなものだ。

「1手1手じっくり考えることができました。いいスタートが切れました」。終局後、藤井はホッとした様子だった。

将棋界で年明けから王将、名人、王位、竜王と順にある2日制7番勝負のタイトル戦開幕局で敗れたのは、22年10月竜王戦の広瀬章人八段(当時)戦までさかのぼる。23年1月王将戦(羽生善治九段戦)からは12連勝している。「次は後手番ですし、よりしっかり準備していきたいと思います」。

その前の7日には神奈川県秦野市「元湯陣屋」で同学年の伊藤匠叡王に1勝2敗と、かど番で迎える王座戦5番勝負第4局がある。まずはここで勝って、第5局(28日、甲府市「常磐ホテル」)に持ち込みたい。

【動画】佐々木勇気八段が投了、藤井聡太竜王が5連覇&「永世竜王」へ先勝