大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は19日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演。日本維新の会が、自民党との連立政権を見すえた政策協議で、「議員定数削減」を突如「絶対条件」として持ち出し、21日召集の臨時国会での成立を主張している背景を、「政治とカネの問題を棚上げするためですよ」と、指摘した。 維新は16日に始まった政策協議で、自民党には受け入れが厳しい企業・団体献金の廃止や、食料品の消費税率2年間ゼロ%を含めた12項目の政策実現を要求。この2項目への自民側の反応は厳しく、同日に民放の報道番組に出演した吉村洋文代表(大阪府知事)は、「改革のセンターピンは、国会議員の定数の大幅削減」と突如、発言した。維新が求めた12項目の中に「議員定数削減」は12番目に入っているが、それまでの維新側の「絶対条件」「副首都構想」「社会保障改革」の2つだった。
連立政権を死守したい自民側は維新の議員定数削減要求に応じる方針とされ、吉村氏は衆議院(465議席)の1割の約50議席の削減を主張している。しかし、そもそも議員定数削減はすべての議員にかかわる話だけに、自民と維新の協議だけで決めるべきではないとの声は自民党内にもあり、現時点では実現は見通せていない。
維新が議員定数削減を主張し始めたことについて、番組キャスターを務めるフジテレビの松山俊行解説委員長は「(維新が)自民に企業・団体献金の廃止をのませられるかということだったが、自民党は透明化をはかり公開をしていく方向だけで考えている。ここはなかなか妥協を引き出すのは難しいという判断があった。それなら(政策協議で)合意をまとめるなら、維新の改革の原点に立ち戻ろうということで、維新がこれまで主張してきた議員定数の削減を『絶対条件』に入れるという判断を、吉村代表がしたんだと思う」と分析。これを受けて、見解を問われた橋下氏は「政治とカネの問題を棚上げするためですよ」と、本質を突くように指摘した。
「吉村さんは、とにかく政策実行の人だが、すべての政策を実行できるわけではない。優先順位をつけるタイプですから、政治とカネの問題は棚上げしながら議員定数の削減を入れて、社会保険料の引き下げと、副首都構想の2つが実行できればいいというところへ、アクセル全開になっていると思います」との見方を示した。
維新に対しては、議員定数削減を持ち出したのは「政治とカネ」の問題から論点をすり替えるためではないか、との批判も出ている。橋下氏も「政治とカネの問題の棚上げについては、有権者がどう見るか、というところがあると思います」と、クギを刺すように指摘した。

