簗和生農相は5日、国会内で取材に応じ、今年2月の衆院選で自身を支援しなかった地元自治体の道路予算を「大幅にカットした」と、身内の会合で発言していたと一部で報じられた問題で、報道された音声は自身だと認め、発言を撤回した。
自身が国交省に予算カットを働きかけたともとれる内容だったが、「そのような事実はない」として、初めて謝罪した。
2日の会見では音声を確認していないとし「そのような形で音声が出ているなら、そういう発言をしたんだと思います」とかわしたが、謝罪もしない対応に批判が急拡大していた。
簗氏は「反省」「不徳」を繰り返し、この間、詳細な説明や謝罪を求める声があったと述べた。「やなちゃん」と呼ばれ、自身に厚い信頼を寄せる高市早苗首相にも謝罪したとし「引き続き農林水産行政の推進へ全力で仕事をせよと、ご指示をいただいた」と述べ、辞任しない考えを示した。
地元有権者には「不快な思いをさせた。信頼回復へ全力で仕事をしたい」と訴えたが、そもそもなぜ「予算カット」発言をしたのか問われると、対象となった那須烏山市、那珂川町に触れ、「さまざまな対応を全力で行い、国に要望をつないできたという思いがあった。そういう中で今回の選挙の関係ということで、党員のみなさんにそういう思いが出てしまった」。選挙区の栃木3区で敗れ比例復活となった衆院選では、両自治体での票の伸び悩みが指摘されていたが、「公平な立場で議員としての務めを果たしていく観点で言うと、大変に不徳で不適切だった」と述べた。
与党内には「簗氏のダメージは総理のダメージ」(関係者)との危機感があった。臨時国会初日に事実関係を認めて謝罪し、政権としても早期の「火消し」をはかった形だ。ただ、これまでの対応のまずさもあって、野党は追及の構えを崩しておらず、政権の「アキレス腱(けん)」となってしまった簗氏の立場に変わりはない。【中山知子】

