カワハギ釣りの名所、内房・金谷(千葉)で11日、弱点を克服する「ホーリー・クリニック」を開催した。「ホーリー」ことカワハギ釣り達人の堀江晴夫さんを講師にして、12人のビギナーからベテランまでが指導を受けた。「それぞれの釣り方がある。今回も12人それぞれが違った。面白いですねぇ」とホーリーはニヤリ。

 さまざまな思いを持って12人が集まった。カワハギ釣りが今回で4回目の才田さんから、マルキユーのインストラクターとして活躍する佐須さんまで、ビギナーとベテランが金谷「岡澤釣具店/光進丸」(篠原正美船長)に乗り込んだ。

 高梨さんは、ブラックバスのJB・NBCの南千葉チャプター会長で「若いバスマンは、釣りの経験値がバスしかなかったりする。多岐なパターンのあるカワハギは共通するところもあって、勉強になりますね。それには、まず自分が知らないとね。ホーリーさんにはいろいろと聞きたいですね」と意欲満々。宮川さんは、大田区で食堂を経営していて「自分で釣った魚を食材として出している。東京湾の魚はうまいですからね。釣れないときにどう釣るか。楽しみ」と話した。

 クリニックを実施した11日は、ホーリーいわく「カワハギはいるけど、なかなか口を使ってくれない」食いのシブい釣況だった。まずはホーリーのお手本から。底からサオをシャクってエサの存在を気付かせて、ピタリと動きを止めてアタリを誘ってみた。なかなか食って来なかったが、激しく揺らして、それでも食い気のあるカワハギがヒットした。「振り幅は30センチだね」とホーリーがつぶやく。

 その後、12人全員の釣りを見て、ホーリーは「誘いのシャクりで、ちゃんと動かせている人はわずかだった」。激しくサオは動かしても、道糸まで力が伝わらずにエサのアサリが動かず、外道のベラやトラギスに“横取り”されてしまう。

 ホーリー 道糸にマーカーがある。サオ先ではなく、マーカーの上下を確認してほしい。道糸が上下動しなければ、誘っていても意味がなくなってしまう。

 さらに振り幅だ。底からシャクりながら、エサのアサリを上げていく。

 ホーリー 上げても30センチまで。それ以上はカワハギがついてこない。気付いたら1メートルも上にいっているケースが多かった。

 この2点だけでも集中すれば釣れていく。それでもホーリーは「これはあくまでこの状態でのヒットパターン。この方法をヒントにして、その場の対処方法を考えてほしい。そこがカワハギ釣りの面白さなんです」とアドバイスした。

 下船後は、ハリの選別や糸の結び方など12人の質問に次々と答えていった。佐須さんは「とても勉強になった。カワハギ教室は基本的な釣り方を解説するだけでなんとなく形になる。でも、ホーリーさんは危機的状況での脱出法を惜しげもなく伝授している。勉強になりました」と感心した。

 ▼宿 金谷「岡澤釣具店/光進丸」【電話】0439・69・2697。午前7時出船。料金は氷付きで8000円。エサ1パック800円。要予約。