大魔神の夏休み第3弾、大原「力漁丸」のオニカサゴじゃ! 大物狙いの大魔神こと佐々木主浩さん(52=本紙野球評論家)にとって、因縁の深いオニカサゴだ。新型コロナウイルスもあってちょっと取材から時間のあいた記事となる。しかぁ~し、季節を問わないのがオニカサゴ。いつ取材しても、いつ記事にしても大丈夫な案件なのだ。急がなくていいですよ、行きたいときにオニ退治にいってらっしゃーい!

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大魔神にはオニカサゴで“痛い”思い出がある。

大魔神 カミさんが間違って指に背ビレのトゲをグサッ…ファーストミットみたいな指になって驚いた。とにかくとんがっているところは全部ハサミでチョキンです。

大魔神、やや目が泳いでいた。よほど腫れたのであろう。いつでも裁断できるように手の届く場所にハサミを置いてあった。

背ビレだけではなく、胸ビレ、腹ビレ、目の上や頭部の突起すべてに毒腺がある。しかも、そのトゲはオニカサゴの体から離れても毒だけは残る。切り取る場合、必ずトゲを海に捨てるようにしよう。

それでも刺さることはある。「力漁丸」の中井聡船長は「この毒ね、熱で中和するみたい。だから、慌てずにカップ麺を食べるためのお湯はポットにあるから、やや熱いけど、刺した患部にお湯。それで間違いなく痕も残らない」とアドバイスしてくれた。

オニカサゴ、釣る前から覚えておく注意事項満載だ。

オニカサゴの釣り方は独特だ。船内のどこにも用意されたエサがない。現地調達なのだ。ハリに飾りのついたフラッシャー仕掛けを投入するとすぐにサバが掛かってくる。7本バリすべてにヒットするぐらい魚影が濃い。大魔神も30分で30匹超を釣った。

大魔神 オニカサゴのエサにするには十分だな。さあ、オニ退治、行こうか!

つい最近の釣行のように書いていますが、実はこの取材から紙面になるまで2カ月ぐらいが経過しています。

中井船長 オニカサゴは季節は関係ないんですね。年間を通して釣果は安定しています。だから、取材してすぐ掲載しなくても、状態が変わるということはありません。それと釣ったサバをエサにするんですが、使うのは皮だけですからねぇ~!

何だとぉ~、こんなに脂が乗っているサバなのに使うのは、皮だけなのかぁ。

釣ったサバを大魔神がさばいていく、ナイフを入れるたびに刃にサバの脂がじわ~と広がっていく。

大魔神 これだけでうまそう。でも、皮だけで釣れるなんて不思議だ。

200号のオモリをつけて、2本バリにサバの皮を縫い刺しにしてぶら下げた。サバ半身の身をそいで縦長に半分。細長いぺらんぺらんのサバ皮だ。

船のあちらこちらでは、真っ赤なオニカサゴがあがっていた。大魔神は沈黙。そこで常連さんが「これ、使ってみな。派手な色づかいだから、キャバレー仕掛けというんだ」と説明してくれた。

仕掛けを交換してすぐギュン! 大魔神のサオが海面に突っ込みそうになった。本命だ。あがったのは600グラムの中ぐらいのオニ。そして同じようなサイズをさらに2匹。好調と思いきや。

大魔神 これじゃないんだよ。もう、最後の流しかぁ…おお、なんだこれ?

最後の1投でなんと1・5キロの大型を釣り上げた。

大魔神 この目つきといい赤ゴジラだ。広島カープでこんなニックネームの打者がいた。嶋重宣、いいバッターだった。東北高校でオレの後輩なんだよね。

大満足の大魔神、さて、タチウオダービーも8月1日から開幕して、次回は巨大タチウオをテンヤで狙う釣りで東京湾に出撃しますよぉ~!【寺沢卓】

▼外房・大原「力漁丸」【電話】0470・62・0575。オニカサゴの乗合の集合は午前3時15分に大原港の力漁丸の前で、毎週木曜出漁、他の曜日も人数が集まれば出船します。氷付きで1万2500円。別船でシマアジも狙えるイサキも募集しています。カードでの支払いもできますので、気軽にご相談ください。