先週は、アユのルアー釣りに対する反対意見や、取り巻く環境の厳しさを指摘した。今週は新たな動きや賛成派の意見を特集する。

静岡県内を流れる稲子川の特定区間では、今季からノベザオによるアユのルアー釣りを始めた。オトリアユの販売店はない。「アユ釣りをもっとカジュアルなものにしたい。別にTシャツ、短パン、サンダルで釣りをしたっていいじゃないですか」。管理する芝川漁協事務局の高橋裕昌さん(65)はこう話す。

同県内を流れる狩野川漁協の井川弘二郎組合長(35)は、「(アユルアーは)賛成」と明確に言い切る。監視強化は人員的な問題で難しいとしつつも、「場所、期間などで友釣りとすみ分けはできる」としている。

栃木・那珂川北部漁協の薄井一郎組合長(78)も検討課題に挙げた。こちらでは女性限定の友釣り大会を企画するなど、独自の方法でアユ釣りの普及、アユ釣り人口の拡大に努めている。「日にち、場所などを決めて県の承諾が得られれば、特別採捕という形でできる。アユ釣りに対する関心を集めるためにも、見直さなければいけない時期にさしかかっている」。

友釣りでサオや道具を一式そろえるだけで、50万~100万円はかかる。これに入漁券の購入、遠征費用等が加わる。金銭的な負担は大きい。その点、ルアーは手軽だ。

記者も条件付きでアユルアーには賛成する。「友釣りの最盛期は外し、ルアー釣りができる場所と時期は別にすること」「ノベザオのみで、リールは不可(コントロールの悪い人が投げるとどこに飛ぶか分からないため)」「できれば友釣りの年券、日釣り券とは別の色にした入漁券を作り、必ず帽子に入漁券を付けてもらうこと」。

ルールをきちんと守って釣りを楽しめれば、新たなファン層の開拓につながるのではないか。