ロカボって知っていますか? ご飯やパンなど糖質が多い食事を控えめにするロー・カーボハイドレート(低糖質)の略語です。緩やかな糖質制限食のロカボを提唱する東京・北里研究所病院の山田悟・糖尿病センター長(46)が、おなかいっぱい食べてもやせられる「ロカボでダイエット」を教えてくれます。

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 緩やかな糖質制限のロカボは、1日10グラムまでのスイーツを食べることを勧めています。甘いものを食べるのも人生の楽しみの1つだからです。ただ、スイーツは糖質が多い点が悩ましいところです。

 この難題を、東京・自由が丘「モンサンクレール」の辻口博啓パティシエ(49)が、見事に解決してくれました。

 「私は仕事柄、1日20個くらいケーキを試食しているので、40歳過ぎてから血糖値にも気を付けるようになりました。健康第一でなければ、おいしいものは作れません。山田先生のロカボを勉強しながら、試行錯誤を続けました」

 その結果、出来上がったのがショコラユニバースです。普通の板チョコ50グラムは糖質25グラムですが、ショコラユニバース30グラムは糖質わずか10グラムしかありません。食べてみると、低糖質とは思えない甘さで、私は思わず「革命的なチョコレートですね」と驚いてしまいました。

 辻口さんは、このショコラユニバースを焼き菓子や生ケーキにも使い、バリエーションも増えています。大豆を主原料にこうじ菌を入れた低糖質のシフォンケーキやロールケーキも作っています。

 ショコラユニバースは1缶1080円。バレンタインデーには1人で10缶も大人買いする人もいたとか。辻口さんは、NHKの朝ドラ「まれ」でケーキ作りの指導をしたことでも有名です。「低糖質のスイーツは時代のニーズに応えるものです。ロカボが当たり前の時代が来るでしょう」と話しています。

 【電話】モンサンクレール 03・3718・5200。

 ◆山田悟(やまだ・さとる)1970年(昭45)1月1日生まれ、東京出身。慶応大学医学部卒。東京・港区の北里大学北里研究所病院糖尿病センター長として、糖尿病患者のQOL(生活の質)向上を目指す。緩やかな糖質制限食ロカボで、おいしく食べて健康に-を目標に2013年11月、一般社団法人「食・楽・健康協会」を設立し、ロカボの普及に努めている。