早期の大腸がんは身体を切ることのない「内視鏡治療」が行われます。
その内視鏡治療の中心になっているのは「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」。早期の大腸がんであれば大きさが10センチでも大丈夫。ESDは広範囲のがんも一括で切除できるからです。
ただ、ESDの治療を行っている病院であれば、どこの病院も同じということではありません。特に直腸がんの場合は、人工肛門も考える必要があるので、安心してESDの治療を受けることができる病院を上手に選択することが重要です。
大腸ESDの治療を上手に受けるにはどの病院を選択すべきか-。私は、早期の大腸がんでも人工肛門も考えなければならない直腸がんの場合や、サイズが大きいなどの理由で難しい結腸がんは、<1>「大腸ESDの治療を年間200例以上行っている病院」を選択すべきだと思います。200例以上となると日本のトップクラスで、全国では10病院くらいしかありません。難しい症例や直腸がんなどの場合、それくらいの病院であれば安心して大腸ESDを受けることができます。
そして、ESDの治療を安心して受けられる基本的目安は、<2>「年間100例を超える病院」です。100例を超えると各県のトップクラスになります。年間100例を行っている病院であれば、腕の良い指導医が必ずいます。そして、カンファレンス(医療チームで患者さんに最も適した治療、医師を話し合う)を行って、ESDを執刀する医師を決めています。「この治療は難しいから私が行う」「難しいけれど君は大丈夫。私は横に立つ」などと話しているはずです。
また、クリニックの内視鏡検査でがんが見つかると、そのクリニックの先生が治療を受ける病院や内視鏡医を紹介してくれます。その時は、<3>「どうしてこの先生を紹介するのですか?」とぜひ聞いてみてください。きちっと理由を話してくれる場合は、信用できると思います。
ESDの治療を受ける病院を決めるときは、<1>~<3>をしっかり実践してください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

