検診で心房細動を指摘されて病院で受診したところ、脳梗塞と不整脈の薬を飲むように言われて通っている人も多いと思います。元気でちょっと頑固な昭和世代の中には、カテーテルアブレーション治療の決断をできず、だんだんと病院から足が遠のいて治療を中断してしまい、心不全や脳梗塞で救急搬送される患者がいます。心房細動は24時間体制で対応しなければいけません。心不全や脳梗塞を繰り返すと心房細動はどんどん悪くなるのです。
私は、高度成長期時代に小学生でアニメ「巨人の星」の初回テレビ放送世代です。当時の巨人は、王・長嶋の黄金時代。少年野球では、「4番、サード、長嶋」に憧れ、背番号は3。そんな私に長嶋茂雄さんの話をさせてください。2004年3月6日、68歳の長嶋さんが倒れました。心房細動を原因とする脳梗塞でした。心房細動が日本プロ野球の歴史を変えてしまったのです。
一般的に、スポーツマンは心房細動になっても自律神経のバランスを整えて活性化させる能力が高く、脈が速くなることも少ないために自覚症状もありません。心不全のサインも出てこないことがほとんどです。自分は健康と思いがちです。この場合、検診でしか見つかりません。
当時は血をサラサラにする新薬はなく、効く薬は納豆・青物野菜を食べてはいけないワーファリンだけでした。また、心房細動では体が脱水状態になると、より血栓ができやすくなります。サウナやアルコールを飲むと脱水状態となり、血液が濃縮して心臓内にゼリー状の血栓ができ脳に飛んでいく可能性が高まります。心房細動の脳梗塞は大きくまひを伴います。小さかったらラッキーです。よく「水分補給にビールを飲むから大丈夫です」と言う人がいますが、ビールは水分補給にはなりません。脱水を引き起こして血液を濃縮させます。

