パリオリンピック(五輪)アーチェリー男子で、同競技日本勢初の金メダルを目指す古川高晴(39=近大職)が、原点の記憶を胸に、6度目の大舞台に立つ。五輪出場は、近大在学中だった04年アテネ大会から6大会連続。12年ロンドン大会で個人銀メダル、21年東京大会では個人&団体で銅メダルを獲得した。

08年北京五輪代表で、現在大阪・岸和田産高で教師を務める守屋龍一さん(39)は、古川と切磋琢磨(せっさたくま)した近大時代を思い起こし、懐かしそうに振り返った。「アテネの前は『俺に勝てたら五輪でも活躍できる』とか言い合って、1日勝負したりしてましたね」。当時から、古川は安定したフォームからの正確性や再現性を追求していた。体の角度などにこだわりながら淡々と弓を引き続けた一方で、「試合の結果に満足できなくて泣いてたりしていた」と、感情を爆発させる一面もあったという。

心理状態が結果を大きく左右させる競技。経験を積むにつれ、試合で動揺を見せなくなった姿に「今は気持ちの浮き沈みもなくなって、何があっても『かかってこい』みたいな感じじゃないですかね」と、泰然自若ぶりを感じている。古川の武器の1つである冷静沈着さは生まれ持った才ではなく、努力とともに、20年以上の場数を踏んできたからこそのたまものでもあった。