さすがは通算500勝超えの職人芸だ。2R予選は、先行職人・増成富夫(48=岡山)が自信のペース駆けに持ち込んで、若い大中拓磨や清水健次を一蹴した。

増成は「もっと早めに行くつもりだったけど、突っ張られたら、と思って仕掛けが遅れた。ホンマきつかったわ」。

ドッカリと腰を降ろしての表情に、厳しいレース展開が読み取れたが、最終ホームから襲いかかってきた大中を振り切ったのは、長年培ってきた職人芸の成せる技でもある。

「まだまだ自分の走りで頑張りますわ」。通算522勝目の逃走劇に、舌の回転は滑らかだった。