2日目に取り上げた棚瀬義大が2予7Rで逃げ切った。「強かったな」と声をかけると「しばらくA級で修行してきます」と明るく答えた。「この強さなら特昇してすぐ戻れるんじゃね?」と言うと「A級も若い選手がたくさん出てきて厳しいですから…」と気を引き締めていた。思わず「君がその若い選手やねん!」とツッコミを入れようとしたが、もうその場にはいなかった。あの逃げ足があるなら、S級復帰はそう遠くない。

ヤマコウは準決12Rを走る桜井祐太郎の組み立てに注目する
ヤマコウは準決12Rを走る桜井祐太郎の組み立てに注目する

この日もバンクは灼熱(しゃくねつ)で、2予9Rで逃げて2着に粘った桜井祐太郎は、ヘロヘロになって取材エリアに現れた。それでも「自分のペースで後ろを見ながら踏むことができた」と満足そうだった。番手の成田和也もきっちり仕事をこなし、ラインワンツーを決めた。

2日間のレース内容を見ると、前2場所の成績が信じられない出来だ。「ダービーからフレームを替えて走っていたが、今回からフレームを戻したのが良かった」と振り返る。選手は少しでも良くなる手段を講じる。それがいい方向に向かうとは限らない。しかし、やらなければ何も得られない。ダービーからの2カ月は、無駄にはならないだろう。

レースの組み立てにも、いろいろ工夫を感じる。「みんな強いので、そこは考えている。その中での最終手段がさばきだと思っている」と自分の軸もブレがない。準決12Rは再度、成田と一緒だ。試行錯誤を続ける桜井が、どんな組み立てを見せるのか楽しみだ。(日刊スポーツ評論家)