今年からG3の概定番組が変わった。初日特選を3個から1個にして、2日目の優秀もなくなった。好調なミッドナイト競輪に比べて、不振なG3のてこ入れ策だ。JKAは「初日は有力選手が1予の11個レースに分散することで軸がはっきりする。2日目は優秀を廃止して2予A、Bが計7個レースになることで、今まで以上に迫力がある、よりエキサイティングなレースになる」とPRする。

果たしてそうだろうか? 1月のG3・4開催のうち、軸がはっきりするはずの初日を見ると、和歌山と松阪は比較的本命サイドだったが、立川と大宮は荒れ模様だった。売上額も期待に反して前年を上回った場はなかった。2日目も2予Aは準決へ5着権利と緩い。5着でいいなら、エキサイティングなレースになるだろうか。

選手は勝つため、あるいは3連単車券でファンに貢献する確定板を目指す。5着で勝ち上がれるのなら自力選手の仕掛けも変わる。

特選クラスの追い込み選手は「以前は優秀に行けば準決まで安泰だったけど、2予回りになったら3着までだから結構厳しかった。しかし、今回の制度で2予Aなら取りこぼさない自信がある。準決には行きやすくなった」と分析する。

記者は思う。G3の不振は毎月のように行われるG1、2をファンが見慣れて、いまさらオールS級の12R制に食傷気味なのではないか。G1は希少性があるからこそ盛り上がる。今回のような形の改革ではなく、以前のように、SA2層制の3日間開催を2節に戻した方がいい。そうすれば、勝ち上がりも3着権利など、本来の姿に戻るし、トップ級の対戦はG1でしか見られなくなる。何より、その当時の方が車券が売れていたのだから。