シンデレラが誕生した。優勝戦12Rは、1番人気のイン三浦永理がコンマ02のフライングに散る大波乱。1周2Mを先マイした地元の川野芽唯(29=福岡)が後続を振り切り、G1初優出初優勝を飾った。福岡勢は、前回の日高逸子に続いて連覇を果たした。2着には平高奈菜が入り、100期ワンツーを決めた。
年の瀬迫る博多に、シンデレラが舞い降りた。川野芽唯がG1・5度目の出場で、地元で初制覇を果たした。
ハイライトは1周2Mだった。同1Mを先マイした三浦永理が、非情のフライングコール。戦線離脱した後、川野の2艇身ほど前に寺田千恵がいた。しかし、好パワーで迫ると、2Mはやや強引に先制した。寺田が差し返そうとしたが、力強いターンで突き放した。
師匠の一言が、後押しした。福岡に入る前、師匠の岩崎正哉(43=福岡)に連絡を取った。11月、初めてG2レディースチャレンジCを走った時は、周りが見えず、集中力が途切れた。その反省をすべく、アドバイスを求めた。
岩崎 チャンスをものにしてきて下さい。
勝負どころを逃さず、冷静に勝利をつかめ。師匠の思いを、川野は感じた。「トライアル3回戦で2枠を引いて勝負駆けのチャンスをつかんで、優勝戦もまさかの4枠まで来られた。これもチャンスだと思った。岩崎さんの言葉を信じて、淡々とやった」。流れをつかみ、地元で最高のラストを迎えた。
またレース後、観戦に訪れた瓜生正義(39=福岡)からは「強くなったな、おめでとう」と声をかけられ、笑みがはじけた。
同期の支えも大きかった。やまと学校時代から、鎌倉涼、平高奈菜には先を越されて、追いつくのに必死だった。「心強い仲間です。鎌倉(涼)ちゃんや、(平高)奈菜ちゃんに支えらえてきた」。今回、そろって優出した鎌倉が「100期が勝ってくれて良かった」と言えば、平高も「めっちゃ良かった」と喜んだ。
年が明けて16年、3月のSGクラシック(平和島)出場権を得た。「私が、まだクラシックに出るのはふさわしくない。もう少し男性と対等に走れるように、技量を磨きたい」。シンデレラストーリーは、まだ始まったばかり。真のトップレーサーに向けて、川野の挑戦は続く。【津波謙次】
◆川野芽唯(かわの・めい)1986年(昭61)3月25日、福岡県生まれ。100期生として07年5月若松でデビュー。10年12月の児島女子リーグで初優勝を飾る。同期は桐生順平、平高奈菜、鎌倉涼ら。優勝回数は通算6回。163センチ、45キロ。血液型AB。
◆女子G1初優出初優勝 レディースチャンピオンがG1に昇格した00年以降、女子によるG1初優出初優勝は川野芽唯で8人目となった。これまでレディースチャンピオンで00年柳沢千春、02年岩崎芳美、06年横西奏恵、09年新田芳美、13年金田幸子、15年滝川真由子、クイーンズクライマックスで12年三浦永理が達成していた。





















