【松井律・競輪黙示録スペシャル】

高木真備の電撃引退で“女王”の座は「空席」となった。前女王の児玉碧衣は、衝撃を受けたと同時に、人ごとには思えなかった。

「大きいレースに来て(高木)真備さんがいないのは寂しい。真備さんはガールズグランプリを勝つためにやっていたし、その後は気持ちが入っていなかったのが分かりました」。振り返れば、昨年は自分も同じように燃え尽き症候群に陥った時期があった。

しかし、児玉は立ち直るためのノウハウを持ち合わせている。逃れられないプレッシャーにはどう対処するのか。「これは誰かが教えられるものではない。自分で気付いた人だけが、上で走れるんです。私はタイトルに執着がなく、賞金がモチベーションなのでよかった。だから、辞めませんよ(笑い)」。

“名誉より富”を公言できる児玉のキャラクターだからこそ、笑いに変えられる。だが、トップを争う人間はどこか孤独だ。

今大会は、積極型よりも自在型の比重が大きい。つまり、仕掛けが遅れれば、後方に置かれるリスクが高い。3月宇都宮GCで高木真備が児玉の外で動きを封じたように、位置取りには課題を残す。「位置に固執する姿も見せていかないといけない。私は平で初タイトル(18年8月ガールズドリームレース)を取ったし、ターニングポイントになる場所なんです」。踏めるコースを確保し、豪快にまくって女王奪還を印象づける。(1)から(7)(5)(3)(6)の2、3着。