レース中の事故による諸橋愛さん(めぐむ・享年49)の訃報が伝えられたこの日、79期の同期で、日本競輪選手会千葉支部の支部長を務める中村浩士(48=千葉)が心境を明かした。

中村は8月上旬に諸橋さん、同期の佐々木則幸と競輪情報番組スピードチャンネルの対談企画に臨んでいた。「『同期のチカラ』って企画で会ったのが最後になってしまった。メグとは同期で同級生。メグは関東、自分は南関を盛り上げようとこれまで一生懸命に。思いやりがあり、自分が弥彦を走るときは競輪場から駅まで送ってくれたり。走りは一枚もそれ以上も上で、こっちは(競輪学校で)びりの方だから一生懸命になってやっていた。『浩士はすげえ、支部長をやりながらだもんな』って言ってくれて、お互いリスペクトしていた。たまに、ふざけ合うこともあった」。

諸橋さん最後のレースとなった奈良G3の光景が忘れられない。「あの日、自分は佐世保ナイターで、奈良を見ていた。ひどい落車で、あとでメグにLINEしたが既読にならない。大丈夫かなと思っていた。後から(首に)ボルト2本入れる手術したと聞き、メンタルが強い人だし、命が無事ならと。それが…。同志がいなくなってしまった。いたたまれない。気持ちの整理がつかない」。

声を詰まらせながら、悲惨な事故を繰り返さない思いを強くする。今年は春に選手養成所で訓練生が事故が元で亡くなり、7月には伏見俊昭さんがレース中の落車で亡くなっている。「全選手にありえること。このような事故が起こらないようにしていかないと。かなりのスピードが出る自転車をどう扱うか。技術だったり、重心移動だったり。コントロールする能力をつけていかないと。BMXを経験した古性(優作)君は素晴らしい技術を持っている。古性君をお手本にしながら、自分も取り組んでいる」。

そして、語気を強めて続けた。「選手は競走に行ったら、無事に家に帰る。公正安全なレースを。これができなければいけない。業界全体として、見直すべきポイントがあると思う」。事故予防への取り組みに力を注ぐ決意をにじませた。