ボートレース界の鉄人レジェンド、現役最年長レーサーの高塚清一さんが3月1日に死去した。3日、日本モーターボート競走会が発表した。死因は不明。77歳。静岡県出身。

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<悼む>

心の底からボートレースを愛し、妥協を一切許さない職人だった。常に背筋をぴんと伸ばして歩く姿は実にりりしく、年齢を全く感じさせないかっこよさがあった。

誰よりも早く試運転に出て、陸(おか)の上ではペラやエンジンとにらめっこ。控室でのんびり休んでいる姿を見たことがない。

そして、何よりも負けず嫌い。大敗してピットに引き揚げると悔しさありあり。控室に戻ってからほどなくすると「ペラと遊んでくるわ」と言って試運転に取りかかった。

勝ったら勝ったで「たまたまだよ」と対戦相手への敬意を忘れない。スタートや旋回スピードは若手と遜色なく、道中のライン取りも実に巧みだった。

レース後に競技本部に呼ばれて航法等で何らかの注意を受けた後、「息子みたいな歳の競技委員長に注意されたくないわな」と冗談とも本音ともつかぬ言葉を取材陣にぽつり。時折にじみ出るちゃめっ気にほっこりとさせられた。

約60年のレーサー生活、本当にお疲れさまでした。【工藤浩伸】