競輪界の25年総決算のレース「KEIRINグランプリ2025」が、平塚競輪場で開催される。強い絆で結ばれた真杉匠(26=栃木)と吉田拓矢(30=茨城)の栃茨コンビは、優しいまなざしの奥で闘志をたぎらせる。
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スリーナインから始まる物語が大団円を迎えようとしている。真杉匠と吉田拓矢は決戦を前に、片や表情をきりりと引き締めれば、片や笑顔で余裕がたっぷり。「楽しく過ごせていいかな」と準備OKを強調する真杉に呼応するように、吉田は「(真杉が)どう仕掛けるか、体の動きからも分かる」と好ガードへ自信をのぞかせた。
関東が誇る名コンビはちょうど6年前の夜に思いを通わせた。真杉が敵なしのA級からS級に特昇してすぐ、9・9・9着と惨敗した松山ナイター後のこと。翌朝に帰郷を控え、元気なく「選手宿舎で洗濯でもしておこう」とする真杉に、そのとき既にG1決勝を経験する吉田から「洗濯なんかよりも、外へっ、街へっ!」と声がかかった。
街では吉田と、S級巧者の神山拓弥が加わり、「競輪は勝っても負けても次がある。うまく気持ちの切り替えを」と諭された真杉は生気がよみがえる。「励まされた、あの夜から頼りに」。兄のように慕う吉田をお手本に快進撃が始まった。吉田も負けじと安定感を増す。折をみては合宿練習を重ね、互いに力を付け、特徴を分かり合い、この決戦でのタッグ結成を実現した。
たとえ勝者はひとりでも、2人で力を合わせてまずは他を封じ込む。先輩タッグ武田豊樹と平原康多(引退)がそうしたように、真杉と吉田も関東の伝統芸を見せていく気だ。【野島成浩】





















