GK小久保さまさまだね。日本は0-0、引き分けでもいいと思って臨んだ試合のはず。守備ラインを下げ、安定した試合展開を望んだはずなのに、マリの破壊力は想像以上だった。

普段はあまり警告をもらわないMF藤田が、苦しくなってイエローカードをもらうほど、相手の攻撃は威力があった。

サイドをどんどん崩してきたし、3人が囲んでも突破してきた。そこで最後の砦(とりで)、小久保が相手の決定的なシュートを3本以上は止めてくれた。思わず「ありがとう」と言いそうになったね。

小久保はボールセーブの能力が高く、試合の流れを読む力がある。時間を稼ぐところは稼いで、素早く前線に展開する時の判断も、スムーズだね。

優勝したアジア予選(U-23アジア杯)から順調に成長している。普段、GKを試合のMVPに挙げることはあまり好まないが、この日のMVPは文句なし。小久保だね。

攻撃ではFW細谷のキープ力が素晴らしかった。ほとんどのチャンスは彼から生まれた。簡単にボールを奪われないのもいい。力強く、体格にも恵まれている。手足が長い相手のチャージにも、しっかりボールをおさめるところは、頼もしかったね。今後、A代表でも中心選手になるんじゃないかな。

1試合を残して、1次リーグ突破が決まった。A代表でもいえることだが、1次リーグはいい動きで勝ち抜いても、決勝トーナメントになると守備の意識が強過ぎて、動きが硬くなる。連係ミスが普段より増え、先制点を与えて自滅することがある。せっかく先制したとしても、守りを意識し過ぎることで足を引っ張られることもあった。

この機会に、この世代が、そんな悪い流れを打ち破ってほしいね。日本は、この世代の南米王者パラグアイに5-0で勝ったチームだよ。自分たちの攻撃力を信じて、どんな相手にも最初から真っ向勝負して、今度こそメダルを取ってほしいね。

(日刊スポーツ評論家)

日本-マリ 試合終了間際、マリがPKを外し、跳び上がって喜ぶGK小久保(共同)
日本-マリ 試合終了間際、マリがPKを外し、跳び上がって喜ぶGK小久保(共同)
マリに競り勝ち、喜ぶGK小久保(右端)ら男子日本代表(共同)
マリに競り勝ち、喜ぶGK小久保(右端)ら男子日本代表(共同)
マリに競り勝ち、抱き合い喜ぶGK小久保(共同)
マリに競り勝ち、抱き合い喜ぶGK小久保(共同)
日本-マリ 試合終了間際、マリがPKを外し、雄たけびを上げるGK小久保(左)(AP)
日本-マリ 試合終了間際、マリがPKを外し、雄たけびを上げるGK小久保(左)(AP)