古豪が都大路を初めて走った。男子は、67年ぶり3度目出場の韮山(静岡)が、2時間8分20秒の19位だった。小沢大輝、小木曽竜盛、河田太一平、渡辺良太の3年生4人が、最初で最後の夢舞台に挑戦。目標としていた入賞は果たせなかったが、3年間追い続けた都大路を楽しみながら駆け抜けた。

東大や京大など、毎年難関大学への合格者を輩出する県屈指の進学校が、67年ぶりの大舞台で健闘した。全国の強豪校が留学生ら、有力選手を集める中、韮山は地元出身選手を中心にチームを構成。その中で、ともに韮高での全国大会出場を夢見てきた3年生が、京都の地で躍動した。

1区小沢は11月の県大会後、全国での1区出走を自ら志願。区間14位に終わり「ハイペースに付いていく展開だった。5キロくらいから上り坂がきつくなり、トップ集団から離されてしまった」と唇をかみしめたが、「夢の舞台で全員でタスキをつなげた。すごく楽しかったです」と白い歯を見せた。3区の小木曽は「緊張はしなかった」と冷静な走り。外国人選手らを相手に苦戦したが、14位から順位を1つ上げて次へつないだ。

4区の河田は最初から勢いに乗った。3人を抜く力強い走りで区間9位。終盤の競り合いに敗れたが、充実の表情で「3年生4人で走れたことが、大きな思い出になった」と話した。5区渡辺は、受験勉強との兼ね合いで満足に練習を行えない中、区間36位と苦しんだ。それでも「3年生同士でタスキをつなげて良かった」と喜んだ。

過去に出場した大会は大阪開催だったため、都大路で走る最初の韮高チームとなった。過去最高の12位(第1回大会)には届かなかったが、小木曽が「3年間追い続けた夢を実現できた喜びを強く感じています」と言う3年生4人は、大きな達成感を胸に次の舞台へ進んでいく。【河合萌彦】