どーもです。タイトリストのニューモデル「TSR」シリーズのFW、3モデルを試打できました。同シリーズのドライバーは、ゴルフジャーナリストの間ではかなりの高評価のようですね。そのドライバーは人気のようです。試打クラブも専門紙を出回っているようで、今回手配できたのはFWのみとなりました。ドライバーは試打でき次第アップしますが、今回打ったFWもなかなかのモデルでした。というわけで、まずは「TSR2」(以下「TSR2」)FWから紹介しましょう。


まずが見た目から。


三角形チックな形状ですね。フェース後部にウエートが鎮座していますが、この位置にあるということは浅重心を意識したモデルにも感じますが、白いラインの辺りのツヤ消し部分が気になります。もしこれがウエートだとすると、「なんか複雑だな…」と思ってしまいます。

フェースはセミディープかな。トップラインはほぼフラットですが、リーディングエッジのカーブが、ややエラが張っているような形状なので、そう見えるのかもしれません。

ボディはセミディープにも、見ようによってはシャローにも見える形状でした。ソール後部がフェースのほぼ真ん中となるミドルバックですね。やや出っ歯系かもしれません。

後ろ姿です。中央部にボリュームがある形状になっていました。

構えてみるとこんな感じ。クラウンの投影面積はやや小ぶりかな。最近では珍しい三角形っぽい形状でした。

今回試打したのは、オリジナルカーボンシャフト「TSP310 60」Sフレックス装着の15度。スペックは、ロフト角15度、ライ角56.5度、長さ43インチ、総重量323.0g、バランスD2。ヘッド体積未発表。シャフトスペックは、重量59g、トルク5.5、中調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールがブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的にはまずまず。グリップも太めが好きなボクが握っても、まずまずの許容範囲。シャフトを手でしならせてみると、SらしいSだけどやや柔らかめで、しなりポイントはほぼ真ん中辺り。ワッグルしてみると、ヘッドの動き幅は適当ですが、意外だったのは、しなりポイントよりもやや手元側から全体で動くような感じでした。でも、素振りしてみると、クセがない、中調子系のしなり方だったりします。


実際に打ってみてまず感動的だったのは、まるでドライバーのような弾道だったこと。いわゆる一般的な3Wよりも、かなりの強弾道イメージで、打ち出し角も、上がりやすいドライバーのようなイメージでした。3Wにしてはスピン量が少なめで、グングン前に行くイメージでしたね。スカイトラックでスピン量を確認すると、3球平均2500rpmで、これはほぼドライバー並! おそらく、かなり低重心を意識したモデルだと思いますが、確認してみると、まさに史上最低重心モデルでした。実際に打ってみれば、多くの方が恐らく実感できるわかりやすさのあるモデルだと思います。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら


【3球平均】

HS42.3m/s、初速59.2m/s、打ち出し角16.2度、バックスピン量2511.0rpm、サイドスピン-365.7rpm、飛距離237.7y

【ベスト】

HS41.5m/s、初速60.4m/s、打ち出し角15.9度、バックスピン量2842.9rpm、サイドスピン-285.2rpm、飛距離240.9y


打感はマイルド系。ボールのつぶれ感を存分に感じられるけど、打ち抜き感もしっかり感じられました。音は違和感のない中高音。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックの弾道データはこんな感じ


弾道的には高弾道。ボールは上がりやすく、オートマチックに上がりやすかったですね。スピン量は少なめで、ある意味ドライバー並!! ロフト10~10.5度モデルのスピン量と変わらないスピン量は、ちょっとビックリでした。ティーアップでこの距離飛ぶなら、ぶっちゃけ「ドライバー要らないじゃん!?」なんて思ってしまうほどでした。


出球傾向は、ボクのスイングでほぼストレート。打ち出し方向のバラケはボクのスイングが原因です。2球続けてややプッシュアウト気味だったので、その辺を意識してつかまえてしまったのが3球目。結果はややドロー気味でしたが。後からでもそのとき何を考えていたのかが、手に取るようにわかりますねw


シャフトフィーリングと振り感ですが、まあSらしいSですが、やや柔らかめな印象もありました。でも、実際には違和感も、クセもなく振り切れる印象でした。他のシャフトを打っていませんが、このヘッドとのマッチングはボクのスイングにいい感じでした。


今回試打した限りでは、このスペックでHS40~42m/sにオススメ。クセがなく、ボールも上がりやすいので、使い手を選ばない間口の広さがありそうな印象でした。フッカーのボクが普通に打ってもほぼストレート~ドロー系。おそらく払い打ち系でもほぼ同じ結果が出そうな印象でした。いつまで経っても「タイトリスト=上級者向け」のイメージがあるボクですが、さすがにここ数年のモデルを実際に打ってみると、「使えないわけでない」と思わせてくれるような扱いやすさを実感できるモデルに“進化”していました。


ボクがゴルフを始めた90年代後半ころ、ショップの店員さんに「このクラブ、かっこいいですね」と言うと、「お客さんの平均スコアは?」と聞かれ、「まだ初心者です」と伝えると、「ならば、無理ですね」と宣告されたことを思い出しました。この経験がボクにとって「タイトリスト=上級者」という刷り込みになっていたのかもしれませんね(笑)

<タイトリスト「TSR2フェアウエーメタル」FW>

■KAZ'sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:9.5▽上がりやすさ:9.5▽操作性:8.5▽構えやすさ:9.5▽打感の柔らかさ:9▽ミスの許容度:9

■ヘッド:高強度カステンレスステンレススチール

■ロフトバリエーション:15度、16.5度、18度、21度

■シャフト(重量/トルク/調子):「TP110 50」(S=54g/5.5、SR=52g/5.9/中調子)。「TP310 60」(S=59g/5.5/中調子)。「ツアーAD DI」(6S=65g/3.3、5S=57g/4.7/中調子)。「ツアーAD IZ」(6S=63g/3.2、5S=56g/4.4/中調子)。

■価格:「TP110 50」「TP310 60」装着モデル各1本5万2800円。「ツアーAD DI」「ツアーAD IZ」装着モデル各1本6万3800円。 ※価格は税込み