ちまたでは「効く」とうわさの「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」。毎週火曜日の日刊スポーツで、あなたの街のプロゴルファー、タケ小山(52)がお届けしています。今回は「ウエッジの飛距離を知ろう」です。アプローチ上手になっちゃうよ~!


アプローチ上手になろう


 みなさん、自分のウエッジの飛距離、ちゃんと知ってますか? まずはそれぞれのフルショットから。これがわかってないとお話になりません。私の場合はPWはロフト48度で120ヤード、54度で105ヤード、58度で85ヤードです。これが基本となります。

 次に、同じクラブのスリークオーター(3/4=75%)ショットの距離をしっかりと把握します。ちょっと、ゆっくりとクラブを振ってみてください。体の構造上、フルスイングをした時、バックスイングで腕が大胸筋から離れる瞬間があるんです。分かりますか? 体を回さず、ルーズな状態でテークバックしていって、そこから一段階、ギアが入るみたいに体を回さないとそれ以上は行かなくなるところ。そこまでがスリークオーターだと覚えておいてください。それ以上はフルスイング。


バックスイングで腕が胸から離れない位置=スリークオーター
バックスイングで腕が胸から離れない位置=スリークオーター
タケ小山の場合、58度ウエッジでフルスイング85ヤード、スリークオーター60ヤード
タケ小山の場合、58度ウエッジでフルスイング85ヤード、スリークオーター60ヤード

 このスリークオーターで打った距離を覚えておきましょう。タケ小山の場合だと、パターを除いて一番短いクラブのロブウエッジ(ロフト58度)だと、スリークオーターは60ヤード。フルショットとスリークオーターの間だけで25ヤードを打ち分けることができるんですよ。もちろん、先週お話ししたアクセルレート(accelerate=加速する)を使って。ねっ! ミスする気がしないでしょう?

 同じことを他のクラブでもすれば、ほーら、ディスタンスコントロールは自由自在。もちろん、スイングが安定しているのは大前提。フルショットの距離がいつも違うのではディスタンスコントロールはできません。そこは安定するように練習してください。

 考えてみてください。ドライバーを使う回数より、ウエッジを使う回数のほうがはるかに多いんですよ。距離の把握はすべてのクラブに必要ですが、中でもウエッジの距離を把握する必要があるのはそのためです。

 フルショットとスリークオーターの距離を覚えたら、びっくりするくらいスコアがよくなりますよ。


今週の処方箋

人間関係もゴルフも「距離感」を大切に!!

 「部長、今日、近い! いやーん…寄らないで」なんて言われてませんか? 人間関係もゴルフも、大切なのは距離感。しっかりしていないと、ひどい目に遭いますよ。


 ◆タケ小山(こやま)本名小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子

◆撮影 山崎安昭