松村道央(32=吉野電化工業)が、通算9アンダーの275で今季初優勝を飾った。4打差7位から出て、16番パー5のチップインイーグルなど67で回って逆転勝ちし、ツアー通算5勝目。かつて香織夫人(38)が選手紹介アナウンスを務めていた縁ある大会で、夫人と長男羚央(れお)ちゃん(1)の前で晴れ姿を見せた。

 松村が鮮やかに混戦を抜け出した。首位に1打差で迎えた16番パー5の第3打は、グリーン左手前ラフからピンまで12ヤード。ライもよく切れない上りのラインに「いつもなら寄せるところだけど、気持ち的には狙っていった」。球はイメージ通りの軌道でカップイン。「優勝カップに手が届いたと思った」。17番でボギーも、18番パー5で残り267ヤードから5番ウッドでピン左6メートルに2オン、バーディー締めで突き放した。

 最大瞬間風速15・7メートルの強風。風対応には自信があり、他の選手が苦しむ分、勝機ありとにらんでいた。香織夫人が以前にアナウンスを担当した大会だけに「喜びもいつもより大きいです」。前回のツアー優勝は昨年3月インドネシアPGA選手権で、当時夫人は妊娠中で同行できなかった。羚央ちゃん誕生後に勝ってないことも気にしていた。表彰式後に3人で記念撮影し「子供はまだわからないと思うけど、いつか映像を見せてあげたい」とパパの顔になった。

 最近は松山英樹ら東北福祉大出身者の活躍が目立つ中、「今週は日大もまだまだ強いと証明できてよかった」とも話す。松村をはじめ、師弟対決で話題になった片山と堀川、前週に日本オープンを制した小平も日大出身だ。

 これで賞金ランク10位に浮上。「賞金王とは言えないけれど、2週連続優勝とか、チャンスがあれば勝ってやるぞという気持ち」。これで来年の世界選手権シリーズ・ブリヂストン招待の出場権も手に入れた。夢が広がる1勝となった。【岡田美奈】