片山晋呉(43=イーグルポイントGC)が“圧倒的な1打差”で今季初、ツアー通算30勝目を飾った。

 小林伸太郎(30=焼鳥まさや)とのマッチレース。ツアー未勝利で初の最終日最終組という相手に対し、29勝で培ったゴルフをフル回転させた。

 小林伸との2打差を追ってスタートし、序盤の2番で23ヤードのチップインバーディーで1打差。再び2打差となって迎えた5番パー4で、小林伸がダブルボギーをたたくと、バーディーを奪って首位に浮上。その後は1度も並ばれないまま、ノーボギーで逃げ切った。

 「彼(小林伸)がダボの後も崩れず、踏ん張っていた。よくついてきたと思いますよ。でも、後半に入って『これは1打差で勝つパターンだな』とわかったから」。何度も修羅場をくぐった経験で、勝利のシナリオを描いていた。

 通算30勝は、94勝の尾崎将司、51勝の青木功、48勝の中嶋常幸、32勝の尾崎直道、30勝の倉本昌弘に次いで6人目の快挙。「43歳273日」での到達は中嶋、青木、尾崎将に次ぐ4番目の年少記録となった。

 「30勝、うれしいです。永久シードの25勝というのもうれしかったけど、30って数字がね。だって6人しか味わってないんでしょ?」。08年に24、25、26勝を記録後、13年に27勝するまで5年かかったが、14年に28勝、15年に29勝、そして30勝と再びピッチが上がってきた。

 52歳というシニア年齢になって06年三井住友VISAを制した中嶋に「50歳でレギュラーに勝つってのは、相当いいよ」と言われたことがある。「50歳は7年後か。7年後に勝っていたら、すごいけど。僕は体がちっちゃいから」とこぼしつつ、壮大な目標がまんざらでもなさそうだった。