【ファミングデール(米ニューヨーク州)14日=松末守司】東京オリンピック(五輪)に出たい-。4月のマスターズで復活優勝を遂げたタイガー・ウッズ(43=米国)が16日開幕のメジャー第2戦、全米プロ選手権の公式会見に臨み、20年東京五輪出場を熱望した。マスターズの勝利で世界ランキングは6位まで浮上し、米国男子でも4番手。1つの国と地域から最大4人という出場条件を満たし、出場へ大きく前進している。

4月のマスターズでメジャー15勝目を挙げたウッズの新たな夢が、動きだす。全米プロゴルフ選手権に向けた公式会見で、20年東京五輪に向け「五輪はまだ出たことがない。ぜひ、出たい」と言い切った。

五輪出場へは、1つの国・地域で最大4人。米国勢の4番手に位置し、現在は条件を満たしているとはいえ、強力ライバルが多数いる米国。油断をすればすぐにまた圏外に追いやられる。ただ、もしそうなったとしても「出場大会を増やしてでも出たい。米国代表に入るのは簡単ではないが、今年のように大きな大会でいいプレーをしていれば近づく」と並々ならぬ意欲を見せる。

会場のベスページ・ステートパーク・ブラックコースでメジャー大会を開催するのは3回目。02年に全米オープンを制し、09年の同大会でも6位と相性がいい。米男子プロゴルフツアーの公式サイトが優勝候補を予想する「パワーランキング」では、2位に推された。メジャー第2戦でも存在感を際立たせ、メジャー2連勝を誰もが期待する。

また、会見では経営する飲食店の男性従業員が昨年12月に飲酒運転で事故死しており、その遺族から訴えられているという報道についても言及した。「亡くなったことは残念。彼と彼の家族をとても気の毒だと思います」。終始和やかだった表情が、この時だけは神妙になった。

会見終了後、ラウンドはしなかったが、パット練習、ドライビングレンジで5時間近くも練習に没頭。マスターズの劇的な優勝から4週間、ぶっつけでのメジャー挑戦にはなるが「ここにきて肉体的にも精神的にも準備ができた」と話す。メジャー2連勝、通算16勝目…、再び積み重ねる記録の先に、夢舞台での金メダルが待ってる。