前週のパナソニック・オープンで、2年ぶり通算16勝目を挙げた上田桃子(34=ZOZO)が、茨城GC東コースの大会コース記録に並ぶ65で、2位に浮上した。

15位から出て、14番で“ダンクイーグル”を奪うなど、1イーグル、7バーディー、2ボギーで通算8アンダー、136。出場46度目で初の国内メジャー制覇、さらには初の2週連続優勝に近づいた。もう1人65で回った高橋彩華が、9アンダーで首位に立った。

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上田の勢いを象徴する、スーパーショットが飛び出した。4つ伸ばして迎えた14番パー4の第2打。ピンまで135ヤードから9番アイアンを振り抜くと、ボールはバウンドせず、そのままカップインする“ダンクイーグル”を決めた。直後の15番でもバーディーを奪うなど、7つ伸ばしての65。15年第1ラウンド(R)のイ・ボミ(韓国)、16年第3Rのレキシー・トンプソン(米国)、この日の首位・高橋と同じ、大会コース記録をたたき出した。

ホールアウト後も興奮気味に「本当に直接入った感じ。『これだ、ダンクのやつ!』と思った」。前週の第2Rで1つ後ろの組の原が達成した、直接カップインのホールインワン“ダンクエース”の「ガシャーン」という音は強烈に耳に残っていた。「英莉花ちゃんの映像を見ていて気持ちよさそうだった」。それを今度は自身が実現し「思い通りの球。気持ちよかったしスカッとした」と笑った。

第1Rで1位の笠、3位の菊地と好発進した2人の30代は、そろって上田の前週の優勝が力になったと話していた。その活躍に、上田は「若い選手に負けないような情熱で、私も刺激になった」と、さらに力をもらう相乗効果が生まれた。

国内メジャーには縁がなく、今大会が46度目の挑戦だ。だが過去45大会と比べても、屈指のミラクルショットも飛び出し、予感は十分。大会コース記録を出しても「まだミスショットがあった。そういうミスをなくし、しり上がりになっていけるように頑張りたい」。悲願を達成するまで手綱は緩めない。【高田文太】