98年度生まれの黄金世代のツアー優勝者は9人いる。第1号は勝みなみで、14年KKT杯バンテリン杯を「15歳293日」のツアー最年少優勝記録で樹立し、第2号は畑岡奈紗で、16年の国内最高峰大会・日本女子オープンを制した。ともにアマチュア時代だ。後の7人はプロになった18年以降で、19年8月CATレディースを制した浅井咲希が最後だ。

同学年で9人いる時点ですでに異常な多さなのだが、ここに来て10人目を色濃く予感させるプロがいる。

植竹希望(23=サーフビバレッジ)である。

第2日の第2ラウンドが荒天で中止され、36ホールの短縮競技となった前週の住友生命レディース東海クラシック。優勝は最終日に63を出した西村優菜に譲ったが、植竹もすごかった。首位との3打差を追って、7つスコアを伸ばし、先にホールアウトした西村と並ぶ通算10アンダーで迎えた最終18番で第1打を左サイドの池に入れ、ダブルボギーをたたき、2位に終わったのだが、17番までは7バーディー、ボギーなし。

「やっと追いついて、最後に“自爆”した」と無念さを漂わせたものの「2ケタ(アンダー)じゃないと勝てないと思って(最終日だけで)8アンダーを目指した」と言い、ほぼ目標に近いプレーを展開した。

1日で8アンダー、64なんて目標、普通ならツアー未勝利選手が立てられるものではない。普通なら“言い過ぎ”だ。しかし、植竹の今季の部門別データを見ると納得する。

トータル・ドライビング(ドライビング・ディスタンスとフェアウエーキープ率の順位を合計したもの)が2位。

パーオン率74・8404%は3位。

平均バーディー数3・4943個は7位。

平均ストローク70・8378は6位。

曲げずに飛ばし、切れるアイアンでチャンスを作り、バーディーを奪い、スコアを伸ばす。「スケールの大きなショットメーカー」の要素を十二分に満たしている。

植竹は「ツアー優勝にどんどん近づいているという自覚はあります」と言う。

23歳というのに、身長がここ2、3年で4センチも伸びて172センチ、足のサイズも1センチアップして27センチになった。いろんな意味で驚異的な新星は来週の国内メジャー・日本女子オープンを「勝ちたい」と狙う。

黄金世代10人目のツアー覇者は、すぐそこにいる。【加藤裕一】