渋野日向子(23=サントリー)が劇的な最終ラウンド(R)の巻き返しで、来季米女子ツアーに常時出場可能な目安の20位に滑り込んだ。

5バーディー、2ボギーの69と3つスコアを伸ばし、通算10アンダー、564。アマチュアのホウ・ユチャン(台湾)と20位で並ぶんだが、最終Rの成績で上回り20番手扱いで、45位タイまでに与えられる来季出場資格を手にした。最後まで、ハラハラドキドキのしぶこ劇場。来年は世界最高峰の舞台に打って出る。

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焦りは表情に出ていた。8日間と長丁場の最終予選会最終日。40人近いギャラリーの声援にも、持ち前の笑顔を渋野は出せずにいた。出だしの1番でボギー。その後もバーディーパットを決めきれず、残りホール数が気になり始めた8番パー4だった。表情を一変させる会心の一打が飛び出した。第2打を60センチにピタリとつけてバーディー。ここから別人のように、盛り返しキッチリ20位で終えた。

渋野 うれしい! 本当によかった~。泣きそうだった。昨日(第7R)は悔しくて最終日を迎えるのが怖かった。いい締め方はできたと思う。(順位が)20か21か、どっち? みたいな感じだったけど、ギリギリ入ることができてよかった。本当にいい経験ができた。

第1Rの81位から始まり、第6R終了時点では7位まで盛り返しながら、最終日を前に29位まで転落。まるでジェットコースターのようだった。45位までが出場権獲得だが、来季のほとんどの試合に出場できる目安が20位。その20位もユチャンと2人いたが、最終ラウンドの成績上位者が上位の扱い。渋野が20番目の権利を得た。

最後までドキドキが止まらない展開。最後に20番目に滑り込むドラマのような展開。これも、天性のスター性ゆえか。日本では今年の漢字が発表された。1年を通じた1文字には「情けないの『情』しか出てこない」。こう言いつつ、最後にしぶこスマイルが出た。

第7Rは出場74人中ワーストの79と大たたき。苦手な強風でショットが乱れ、慣れない米国特有の芝にパットでも苦しんだ。スコアを落とせない緊張感から、パットの不調は最終Rの前半まで尾を引き、カップに届かない場面も続いた。「グリーンが難しかった。寄せにいく感じが続いてしまった」。それでも、苦しみ抜いて、つかみ取った。

来季の主戦場は米国となる。いきなりメジャーを制した19年8月のAIG全英女子オープンでの米ツアーデビューから2年半。「やっぱり勝ちたいです。出る試合は勝ちにいきたい。大口たたいているけど大丈夫? (前日)79をたたいた人が(笑い)」。渋野が、世界最高峰の舞台に挑む。

 

◆渋野の初戦は ルーキーは、来年1月20日から米フロリダ州で始まる来季の開幕戦には出場できない。新人向けセミナー(1月22、23日)が同時期に行われるため。早ければ、第2戦の1月27~30日に米フロリダ州で行われる、ゲインブリッジLPGAとなる。