首位と5打差の3位から出た渋野日向子(23=サントリー)は、2バーディー、1ボギーの71と1つ伸ばし、通算10アンダー、278の8位で4日間を終えた。15アンダーで優勝したジョディ・シャドフ(英国)とは、スタート時点と変わらず5打差。今季初優勝、19年のAIG全英女子オープン以来、3年ぶりの米ツアー2勝目はならなかった。それでも18番で1つ伸ばし、最後に11位から3つ順位を上げて、今季5度目のトップ10入りを果たした。

米ツアーでは初めて同組となった笹生優花、セリーヌ・ブティエ(フランス)と、最終組の1つ前でスタートした。出だしの1番パー4は、2・5メートルのパットを残したがパー発進。耐える展開となっていたが、4番パー3でボギーが先行した。ティーショットをグリーン手前右のラフに入れ、第2打で1・5メートルに寄せたがパーパットを外した。伸ばしたいパー5の8番では、第2打をグリーン左のバンカーに入れ、5メートルのバーディーパットを決められずにパー。波に乗れずに折り返した。

最初のバーディーが訪れたのは14番パー5だった。2オンに成功。下りの難しいイーグルパットは、カップを2メートルもオーバーしたが、返しのパットを決めた。ようやく奪ったバーディーに、ホッとしたように笑顔を見せながらキャディーとグータッチを交わした。16番パー4は、5メートルのバーディーパットが、わずかにカップ右を通過。17番パー4は、6メートルのバーディーパットがボール2個分だけカップに届かないなど、その後もなかなか伸ばせなかった。それでも最終18番パー5をバーディー締め。最後は3メートルのパットを沈め、トップ10入りを決めた。

ホールアウト後は「今日は(グリーンに)乗らなかったりとか、乗ってもロングパットが残ってしまったりというので、チャンスにつく回数が本当に少なくて、苦しい1日ではありました。後半取りたいところ、しっかりパー5で2つバーディーが取れて、アンダーに持ってくることができたのはうれしかったです」と、1日を振り返った。

ラウンド中は、仲の良い同組の笹生と談笑する場面が数多く見られた。ウエアは上が白、下が黒という、そろいのコーディネートで回る約束をしていたようだが、渋野は「(笹生に)『これは白じゃない』と怒られました(笑い)。それでも、笹生選手のメチャクチャいいプレーを間近で見ることができて、すごい楽しかったです」と、明るく話した。

9月から続いた米本土での6連戦も一区切りを迎えた。「予選を通っているのが2回だけだから、ほぼほぼ休みみたいな感じではあったんですけど(笑い)。それでも、この6連戦の締めで、いい終わり方ができて、本当に安心しました」。自信を取り戻して迎える次戦は、中1週を置いて韓国で行われる。「チョー寒いらしいんですけど、とりあえず風邪も引かないように、しっかりと体調を整えて4日間、自分のやりたいプレーができるように頑張りたいと思います」。優勝を逃した悔しさよりも、約2カ月ぶりのトップ10入りに、充実感を漂わせていた。