通算3アンダーで2打差4位から出た渋野日向子(25=サントリー)は2バーディー、4ボギーの72で回り、通算1アンダー279で優勝した笹生優花に3打差の2位に入った。ここ数年はスイング改造など試行錯誤で成績は低迷。今季は米ツアーのシード権も喪失し、ここまで9戦中6戦で予選落ちと苦しんだ。2019年全英女子オープン以来のメジャー制覇はならなかったが、躍進のプレーで復活を証明した。
「今日はスコアを落として残念でしたが、結果的に4日間アンダーで回れて楽しめた」
第3ラウンド(R)を終えてアンダーパーは5人のみの難コース。最終Rも上位陣のスコアは伸びない。渋野も前半はスコアを2つ落とし、後半の10番も5メートルのパーパットを外す。首位とは3打差に広がったが、あきらめなかった。
「この位置にいると勝ちたい気持ちが芽生える。悔いの残らないプレーをして、見ている人が楽しめるプレースタイルを心がけたい」。前日の言葉通り、その後も気持ちを切らさない。耐えて迎えた12番パー3。約10メートルの直角のように曲がる難しい下りのスライスラインをねじ込んでバーディーを奪い返す。ガッツポーズで笑顔を見せた。
その後も首位に立った笹生を懸命に追った。14番パー4では第1打を右バンカーに入れ、第2打も左サイドの木にあてるトラブル。それでも慌てずにリカバリーしてナイスパーを奪う。最後まで集中力を切らさず、攻めの姿勢を貫いた。
2019年8月の全英女子オープンでメジャー初制覇すると、しぶこブームを巻き起こした。しかし、近年はスイング改造、コーチ変更など、試行錯誤を繰り返して成績が低迷。現在の世界ランクは192位。今季は9戦中6戦で予選落ちし、最高順位は50位で、直近の出場大会も2戦連続予選落ちと苦闘していた。
絶望的な状況だったが、もがき続けた。今大会前にはドライバーとアイアンのシャフトを以前使用していた柔らかいタイプに変更。「しなりを使って打てるようになった。再現性が高まった」と活路を見いだした。22年8月の全英以来となるメジャーでの優勝争い。「吐きそうだった」と競技中は必死に緊張感を封じ込めた。大舞台の場数は踏んでいるだけに「なるべく集中し、深呼吸してやった」と精神面の揺らぎをプレーに出さなかった。
19年全英女子オープン以来となるメジャー2勝目はならなかったが、久しぶりに自分らしいプレーを取り戻した。「いやー、めちゃくちゃ、しんどい4日間でしたけど、ここまでの自分のゴルフではありえない結果。正直びっくり。これからまた新しい章がスタートできる。すごく前向きな感覚」。メジャーでの価値ある4日間は、どん底からはい上がる、大きなきっかけになったことは間違いない。

