パリオリンピック(五輪)銅メダリストの松山英樹(32=LEXUS)が、苦しみながらも、2月のジェネシス招待以来の今季2勝目を挙げた。4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの70とイーブンパーで回り、通算17アンダー、263。2位に5打差をつけて首位から出たが、後半に失速し、一時は2位に後退したが再逆転した。15アンダーで2位となった、今季メジャー2勝のザンダー・シャウフェレ(米国)、昨季年間王者のビクトル・ホブラン(ノルウェー)という難敵2人を2打上回った。
米ツアー通算では区切りの10勝目となった。全3戦のプレーオフシリーズの初戦を制し、2週間後に今季最終戦を迎える、年間王者争いでも8位から3位に浮上。継続中としては全選手の中で最長となる、11年連続で進出したプレーオフシリーズで初優勝。賞金360万ドル(約5億4000万円)を獲得した。「苦しかったです。よかったですね。やっぱり10勝目というのと、このプレーオフで勝つことができたというのが、本当にうれしかったです」と、笑顔でインタビューに応じた。
出だしから7ホール連続でパーを並べる我慢の展開だった。その中で8番パー3でバーディー先行。12メートル近いパットを沈めて伸ばした。11番パー3では6メートルのパットを決めて19アンダーとし、迫る後続にも5打差を守り続けていた。ところが、そこから急激に失速する展開となった。
12、14番をボギーとすると、15番パー4では痛恨のダブルボギーをたたいた。15番は、ティーショットを右ラフに入れると、4オン2パット。わずか4ホールの間に、一気に4つもスコアを落として15アンダーまで後退した。その直前に、先に回るホブランが連続バーディーで16アンダーとし、逆転を許した。シャウフェレと並ぶ2位に後退。それでもズルズルと後退することなく、踏みとどまるどころか、ラストスパートをかけるすごみを見せた。
単独首位だったホブランが落とし、シャウフェレを含めた3人が15アンダーの首位で並んで迎えた17番パー4。8メートルのパットを決めて、会心のバーディーを奪った。右手でつくった力強いガッツポーズが、苦しかった胸中を物語っていた。「リードしている分、なかなかアグレッシブにいきづらい部分もありました。(17番のバーディーパットは)これが入れば、すごく楽に18番にいけるな、と思っていた。あまり考えずに、無心で打ったら入りました」。大きなバーディーで、再び単独首位に戻ってきた。
難関の18番パー4でも、ほとんどの選手がティーショットで外していたフェアウエーをとらえた。プレッシャーのかかる池越えの第2打も、1・5メートルにつけるスーパーショット。連続バーディーで締めると大歓声が起き、ホッとした表情を見せた。
第2ラウンド(R)から首位に立つと、第3Rでは後続に5打差と突き放した。第1Rから65、64、64と好スコアをマーク。最終日は特に後半に苦しんだが、第3Rまでの貯金が生きる形で、最後は2位に2打差をつけた。
パリ五輪で銅メダルを獲得したが、その直後にトラブルに巻き込まれた。キャディーのパスポートが入っていたバッグが盗難に遭い、松山自身も財布を取られた。キャディーは日本に帰国したため、今週は不在となったが「起きたことは仕方ない」と切り替えてプレーに集中し、底力を見せた。
ポイントランク上位70人が出場したプレーオフ第1戦を制した。次戦は上位50人が出場するプレーオフ第2戦のBMW選手権(22日開幕)。その後は上位30人が出場する最終戦ツアー選手権(29日開幕)が控える。今大会の優勝で獲得賞金は16億円を超えた。今季最後の2大会で初の年間王者を目指していく。

