男子体操の個人総合でオリンピック(五輪)連覇、世界選手権6度の優勝を誇る絶対的王者、内村航平(29=リンガーハット)がついに敗れた。予選5位から追い上げ、この日だけならトップの86・566点をマークしたが、予選との合計171・664点で3位に終わった。棄権を除き、6種目すべてこなして敗れたのは、08年全日本学生で2位になって以来10年ぶり。日本選手相手の国内戦の連勝も27で止まった。
体操界の1つの時代が終わったのか。「この予選と決勝で、さらに老いを感じました」と内村は苦笑した。どんなにけがをしていても、神業のように着地が決まっていた内村はもういない。「(着地まで)もたないです、体力が」。若手2人に敗れ「ようやく何か解放された」と、表情は晴れやかだった。
昨年10月の世界選手権個人総合予選の跳馬で左足首を痛め棄権。個人総合の連勝は40で止まった。しかし内村の中では「棄権だったから、結果として負けたわけではなかった」。この日は「ようやく自分の強さを見せられている感じ」まで戻したが及ばなかった。
5月19日開幕のNHK杯(東京体育館)の成績を合わせて、上位2人がまず、10月の世界選手権代表に決まる。「今一番なのは代表に入ること。どういう醜い姿であっても代表であり続けたい」。王者が開き直って、巻き返しに挑む。


