世界ランク6位の日本は同8位のオランダに0-3(18-25、18-25、21-25)のストレートで完敗した。

 中田久美監督(52)が泣いた。試合後の記者会見。「オランダには何としても勝ちたいと思っていましたが、ふがいない試合をして…」と言ったところで言葉に詰まった。しばしの沈黙の後、「申し訳ありませんでした」と続けた。両目に涙が浮かぶ。こらえ切れない怒りからか、色白の顔が少し赤く染まった。

 第1セット、いきなり岩坂名奈主将(27=久光製薬)がオランダの高い壁にシャットアウトされた。続けて黒後愛(19=東レ)がストップされて試合の流れは決した。1-6とリードされた時点で、ブロックで4点、サービスエースで1点を失った。以降、試合が終わるままでサーブで崩され、ブロックにはね返されるパターンが繰り返された。

 「選手は負けたくないという気持ちで戦っている。日本はギリギリのところで世界と戦わなければ勝てない。しっかり選手と向き合って、やるべきことを確認したい。選手より私自身の問題でもある」と中田監督。オランダとは日本で9月29日に開幕する世界選手権1次リーグで同組。エース古賀紗理那(22=NEC)は「嫌な印象を与えておきたい」と話していたが、何もできないまま“前哨戦”を落とした。若手を積極的に起用しながらチームを作り上げている途上ではあるが、技術よりも前に戦う姿勢を見せられなかった選手たちに、導けない自分自身に、中田監督の怒りは最後まで収まらなかった。

 2勝4敗となった日本は29日から香港でイタリア、中国、アルゼンチンと3連戦を戦う。【小堀泰男】