自転車BMXフリースタイル・パークの全日本選手権が22日、岡山・下石井公園特設会場で行われ、男子は中村輪夢(17=ウイングアーク1st)が2年ぶりに日本一に返り咲いた。

今季Xゲーム2位に入るなど急成長した中村は97・93と他を引き離して圧勝。代表選出が確実な東京オリンピック(五輪)に向けて、金メダル獲得を目標に掲げた。女子は大池水杜(22=ビザビ)が3連覇を果たした。

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中村が東京五輪に向けて進化をみせた。誰よりも高いエアで難度の高いトリックを連発。スピードを落とすことなく、次々と繰り出した。1本目で97・33の高得点。優勝が決まった後の2本目は、後方宙返りの間に3回ハンドルを回す「バックフリップ・トリプルバースピン」の大技を初めて実戦で披露。軽い脳振とうで1週間練習を休み「ぶっつけ本番」で臨んだ大会だったが、力を見せつけた。

「勝ててホッとしています。力を出せれば、勝てると思っていたけれど」。中村は自信に満ちた表情で言った。昨年の大会はパンクする不運もあって3位。国内で負けた悔しさをバネに練習を重ね、5月のW杯で2位、8月のXゲームでも2位に入った。遠かった世界のトップと互角に渡り合えるまでに成長した。

父辰司さんは「本人が自信をつけた。精神面の成長が大きい」と目を細めた。昨年の負けを転機に強くなったとはいえ「また負けては意味がない」と中村。言葉通り2年ぶりの優勝で、日本王者として11月の世界選手権(中国)に挑む。試合後の表彰式、中村はファンに向けて「東京五輪は金メダルを目指します」と力強く言い切った。【荻島弘一】

○…第1回大会から3大会連続で優勝した大池は「プレッシャーもあったので、負けなくてよかった」と話した。1本目に86・00でトップに立つと、2本目は88・33をマーク。「90点いきたかったけど、2本とも(転倒せずに)走りきれてよかった」と喜んだ。東京五輪代表正式決定は来年5月だが、男子の中村とともに選出は確実な状況。「東京五輪では金メダルをとりたい」と話していた。