自宅待機の子どもたちを勇気づけるため、ラグビー界も動きだしている。ラグビージャーナリストの村上晃一氏(55)の発案で、3月末より「勇気のパス」と題して、SNSで子どもたちへのメッセージリレーを行っている。

村上氏は「ラグビーをすると『思いやり』の意味がよく分かる。仲間と力を合わせてプレーするスポーツだからだ。仲間を守りたい。仲間を助けたい。そんな気持ちがわいてくる。仲間を守るためには自分も成長しなければいけない。いま、世界中でたくさんの命が失われている。新型コロナウイルス感染症を広げないために、みんな、いろんなことを我慢して、力を合わせて戦っている。ラグビーをすることも難しくなってきた。でも、すべてはみんなの健康のため、命を守るためだ。さあ、勇気を出して、パスをつなごう」と発信。07、11、15年とワールドカップ(W杯)3大会出場の大野均(東芝)につないだ。

大野は「こんな時こそ元気を出していきましょう」と話し、11年W杯の日本代表主将の菊谷崇氏にパス。菊谷氏は「難しい状況です。みなさんとこの困難を乗り越えてともに頑張ろう」とメッセージを送った。

9日現在、現役、OB選手ら計7人がパスをつないでいる。

新型コロナウイルスの感染拡大がおさまり、子どもたちが元気にラグビーができる状況になり、最後に村上さんに戻って「トライ」となるまで、選手たちは「ONE TEAM」でパスをつなぎ、メッセージを送り続ける。【松熊洋介】