福島の男子決勝は、福島商が郡山北工を3-0で下し、2年ぶり2度目の優勝に輝いた。身長191センチの菱沼夏輝(3年)がチーム最多タイの16得点を奪って、チームを引っ張った。

第3セット、福島商のマッチポイントで司令塔・丹治嵩主将(3年)は「みんなの思いもこもっていたので、あそこは夏輝に思い切って打ってもらおう」とレフトにトスを上げた。勝利を決める一手を託された菱沼は「絶対に決める気持ちだった。チームメートからも『決めろ!』という声も聞こえていたので」と豪快なスパイクを決めた。2連覇を目指した昨年決勝で敗れた相馬を、前日20日の準決勝で退けてさらに勢いづいた。同主将は「全員が調子良くてスパイク、ブロック、サーブで自分たちの良さを出せた」と笑みを浮かべた。

菱沼や丹治主将ら現3年生9人のうち6人は17年、中学世代のジュニアオリンピック福島県選抜として戦い、翌18年に同校入学。1年時から主力として同年、初の春高出場に貢献した。集大成となる自身2度目の春高に向けて菱沼は「パワーを持ち味として、全国の選手にも負けずにパワフルなバレーで頑張りたい」。強固な絆を武器に、まずは全国初勝利をつかんで、目標の8強以上を目指す。【相沢孔志】