史上最高のQBトム・ブレイディ(44)がまたNFL新記録を達成し、古巣ペイトリオッツを撃破でバッカニアーズに3勝目をもたらした。

第1Qにパス通算獲得距離の新記録をマークし、前半6-7から後半にRBジョンーズのTDランで逆転した。雨もあってここからはFGの蹴り合い。残り2分2秒で4本目のFGを演出し、19-17で接戦をものにした。QBとして史上4人目となる全32チームから勝利も達成した。

ブレイディは第1Qに5本目の成功となる、WRエバンスへ28ヤードのパスを決めた。この時点で通算8万359ヤードとなり、昨季で引退したドリュー・ブリーズの記録を1ヤード更新した。この試合では269ヤードをマークし、8万560ヤードまで伸ばした。ブレイディは「チームメートのおかげ。キャッチしてくれて成り立つ記録」とレシーバー陣に感謝を示した。

15試合ぶりでTDパスなしとなったが、こちらもすでに昨年NFL記録を塗り替えている。今季10個で通算591個まで伸ばしている。こちらの2位もブリーズで571個となっている。他にも昨季でスーパーボウル優勝7回など数々の記録を持つ。50歳現役宣言しているだけに、不滅の記録保持者となりそうだ。

20年プレーした古巣に乗り込んでの対戦に全米が注目した。入場時には元ファンたちの大歓声を浴びたが、試合で初めてグラウンドに入るとブーイングも浴びた。「どっちもうれしかったよ。さまざまな思いが浮かんだが、冷静にプレーを心掛けた」と振り返った。

後半は得点の度にリードが入れ替わった。残り5分を切ってFGを決められ、16-17と3度目の逆転を許した。ロングパスを狙って反則を誘発して敵陣に入る。反則で後退にも2本のパスを決めて攻め込む。TDは奪えなかったが、逆転の48ヤードFGに導いた。

残り2分2秒からペイトリオッツに自陣に入られたが、守備が踏ん張って第4ダウンに追い込んだ。残り59秒で56ヤードFGは左ポストにあたって失敗。その瞬間にブレイディは右拳を握ってガッツポーズした。

1度ニーダウンでタイムアップとなると、古巣の元チームメートらと次々ハグで健闘をたたえた。そこへ歩み寄った、20年間師弟関係にあったベリチック・ヘッドコーチともハグをかわした。ジレット・スタジアムでは116勝目となり、単一スタジアムでの最多勝利も一つ伸ばした。