ラグビーの元日本代表フランカーでトンガ出身のタウファ統悦さん(41=花園近鉄ライナーズアンバサダー)が、家族の安否を心配している。
南太平洋のトンガ諸島で15日に発生した海底火山の噴火と津波で、現在も実家に住む母と妹らと連絡がつかない状況が続いている。
噴火が起きた15日午後2時ごろ(日本時間)に、妹のメレ・モアラさん(36)から電話があったという。
「不安で電話をしてきたんだと思う。声が震えているのが聞こえてきた。『熱い、熱い』って言っていました。(電話口から)カミナリみたいな大きな音が聞こえた。赤い光と、空気の風圧がすごかったみたいです」
20日、東大阪市内で行われたイベント後に取材に応じた統悦さんは、そう振り返った。
この日も何度も電話をかけたが、つながらない。時間を見つけては、報道やSNSなどで情報収集をしている。
「(最大)15メートルくらいの津波と、火山灰が屋根の上にたくさん積もっているみたい。被害が大きなところから自宅までは車で20分くらいで、火口からは65キロくらいある。きっと大丈夫だと思うけど、ひと言だけでもいいから『無事だよ』という声が聞きたい」
不安な時間を過ごしながらも「リーグワン」2部で、花園近鉄ライナーズの本拠地開幕戦となる三重ホンダヒート戦(22日、花園ラグビー場)に向けた準備を進めている。
妹モアラさんの夫はニュージーランドにいるため、「トンガに住んでいる家族は女性だけ。小さい子供もいるから、彼女のことが心配で仕方がない」と胸の内を明かした。【益子浩一】
◆義援金 花園近鉄ライナーズのオフィシャル・ファンブックが発売となり、発売記念イベントが行われた東大阪市の栗林書房の栗林秀一社長から被災地トンガに義援金が送られた。