小野寺らカーリング娘の常呂町名前消える
トリノ五輪で熱戦を繰り広げたカーリング女子日本代表の小野寺歩(27)林弓枝(27)本橋麻里(19)の3選手の地元、北海道常呂(ところ)町が5日、北見市などとの合併で名前が消える。「カーリングの町」として知られ、これまで人口わずか約4900人で9人もの五輪選手を生んだ町で、五輪期間中町最後の代表≠フ活躍に沸き立った町民らに寂しさが漂っている。
小野寺らの里帰りの際には報告会が予定されているが、国内大会に出場するため日程が決まっていない。常呂カーリング協会の松平斉之会長(46)は「横断幕も(新市名の)北見市に書き換えなければ…。仕方がない」と話した。
常呂町にカーリングが広まったのは80年ごろ。「氷上のチェス」とも呼ばれる競技は瞬く間に町民をとりこにした。88年には日本初の屋内専用カーリングホールが完成。学校の授業にも導入されて町民4人に1人が楽しむ「町技」に。約40チームによるリーグ戦からは多くの日本代表選手らが育った。
ホールはトリノ五輪以来観光名所となり、利用についての問い合わせも増加、資金的な支援申し出まであるという。小野寺らを育てた町職員近江谷好幸さん(47)は「北見市になればチーム数も増えレベルアップにつながる」と、町民が築いた伝統が引き継がれることを願っている。
[2006/3/4/07:41 紙面から]
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