日刊スポーツでは、2月4日に開幕する北京冬季五輪の見どころ、トピック、とっておきの裏話など、読者のためになる各競技の情報を充実させた「知っ得! ガイド」を毎日掲載中です。日本時間の午前10時55分からフィギュアスケートの団体戦がスタート。14年ソチ五輪で初採用されて以来3大会目で、日本勢にとって初のメダル獲得が期待される種目について基礎から紹介します。【木下淳】

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フィギュアスケートには団体戦もあります。普段、目にする機会の多い個人戦に先駆け、各チームが国を背負って戦う3日間。「日本初のメダル獲得が期待される」と話題になることも増えた種目を紹介します。

◆参加国 主要国際大会の成績から今回の出場資格を獲得したのはROC(ロシア・オリンピック委員会)、米国、カナダ、日本、中国、イタリア、ドイツ、ジョージア、チェコ、ウクライナの10チームです。

◆選手編成 男女シングル各2人、ペア、アイスダンス1組の計8人構成。日本は男女がショートプログラム(SP)とフリーに1人ずつ別々に出場します。

◆成績決定方法 4種目の順位に応じた獲得ポイントの合計でメダルを争います。1位から10位まで1位10点、2位9点…10位1点まで与えられ、男女、ペアのSPとアイスダンス・リズムダンス(RD)の上位5チームがフリーに進出。最終順位はSP、RDとフリーの合計で決まります。

◆日程 初日の4日に男子SP、ダンスRD、ペアSPを実施。6日に女子SPと男子フリー、最終日の7日にペアフリー、ダンス・フリーダンス(FD)と女子フリーが行われます。

◆歴史 フィギュア単体の世界国別対抗戦として2年に1度、行われている団体戦が14年ソチ五輪で初採用。日本は同大会、18年平昌大会ともに5位でした。男女は世界トップレベルで得点源ですが、以前はペアとダンスの選手層が薄くフリー進出が精いっぱい。男女2人ずつSP、フリーに出る国別対抗戦と比べてペアとダンスの得点の比重が大きく世界の中位でした。

◆ペアとアイスダンスの違い ペアは、男子が女子パートナーを投げる「スロージャンプ」など大技が特徴。アイスダンスは「氷上の社交ダンス」と呼ばれ、ステップやターンを2人で同調させる技術、表現力が問われます。1回転半を超えるジャンプは禁止。基本的に男女が離れて滑ること、女子を頭より上に持ち上げるリフトもできません。

◆今大会の日本は 男子SPに平昌五輪銀メダルの宇野昌磨が出場することが発表されました。ペアは三浦璃来、木原龍一組。ダンスは小松原美里、尊組。あとは羽生結弦、鍵山優真、坂本花織、樋口新葉、河辺愛菜の個人戦代表から選ばれます。誰がどの種目に出るか、相手国の誰と直接対決するかで勝敗が左右されるためメンバーは直前まで発表されません。

◆メダル獲得の可能性は 日本人同士のペアで初めてグランプリ(GP)シリーズの銀メダルを獲得した三浦、木原組が台頭。全日本4連覇の小松原組も、世界選手権で今回の五輪出場枠を自力で獲得するなど向上しています。ロシアが突き抜けていますが、米国やカナダと渡り合いメダルに手が届く勢いがあります。