新種目のジャンプ混合団体で日本(高梨沙羅、佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑)は1回目で、北京五輪では最後の種目となる高梨沙羅(25=クラレ)がスーツの規定違反で失格となった。1番手として103メートルの大ジャンプでチームに勢いを与えたと思われたが、まさかの失格となった。

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高梨は、昨年2月にオーストリア・ヒンツェンバッハで行われたW杯個人第5戦(ヒルサイズ=HS90メートル)でスーツの規定違反により失格となっている。

ジャンプの世界では度々起こる「スーツ規定違反」。何が原因なのか。

国際スキー連盟(FIS)の規則では「直立姿勢で、スーツ寸法はボディーと一致しなければならず、最大許容差はスーツのあらゆる部分において、ボディーに対しプラス1センチ~3センチ(女子は同2センチ~4センチ)とする」と決められている。シーズン初めに計測し、数値を提出するため、体重の変化などで誤差が出てくるケースはある。そのため「スーツ規定違反」は珍しいことではない。

ジャンプは浮力を味方につけ、遠くに飛ぶことを目指すスポーツ。スーツには空気を通す透過率についても規定があるが、選手はルールの中でなるべく風を体に受けたいと考える。W杯を転戦する高梨クラスだと、年間約20着を使用し、常にベストの状態のスーツで試合に臨んでいる。