2大会連続銀メダルの平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が悲願の金メダルに輝いた。

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歩夢選手は素晴らしかったですね。2回目の点数には本人も納得していなかったし、私も驚きました。もう少し出ると思っていたので。確かにジェームズは異なる4種類でダブルコークを決めました。多様性があったということ。ジャッジによっては、技の難易度より多様性を重視したのでしょうか。

3回目も2回目と同じルーティンでした。1440をさらに半回転増やして1620までもってくるかもと思ったのですが、完璧だった2回目より高さも、完成度も高い滑りでした。もし最後にミスをしたら、また銀メダル。それでも、2回目の得点に対する怒りを3回目の完璧なランに変えた歩夢選手は、本当にスターだなと思いました。

スケートボードをやっていたマイナスは、なかったと思います。両足が固定されないスケボーでは、より足裏感覚が重要だといいます。オフのトレーニングでスケートボードをやった選手が「スノボがうまくなった気がする」と言っていたのを思い出します。踏み切る力など、スケボーのトレーニングが役立っているようにも見えました。何よりも、夏冬と連続して出たことで、五輪へのメンタリティーはできていた。五輪のプレッシャーに打ち勝つ精神力に感動しました。(プロスノーボーダー)

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◆トルプルコーク1440 斜め軸に縦3回転、横4回転する大技。技名にある「トリプル」は縦に3回転することを指す。「コーク」とはコルクスクリューの略で、コルク用の栓抜きのように、らせん状に渦を巻く回転形式であることに由来。1440は回転数(360×4)を意味する。昨年12月のデュー・ツアーで、平野歩夢が公式戦では世界で初めて成功させた。