<ソチ五輪スノーボード 女子パラレル大回転銀メダル 竹内智春(31)>

 自国開催の大イベントがなければ、五輪とは無縁だったかもしれません。中学2年の14歳のとき98年長野五輪をテレビ観戦。スケートの清水宏保さん、ジャンプの原田雅彦さんの金メダルに感動しました。重圧の中で、活躍する選手の感覚はどうなんだろう。それが知りたくてスノーボードの本格強化を決意しました。

 翌年の中学3年の夏はニュージーランドの海外キャンプに初参加。冬には全日本選手権に初出場。高校1年ではW杯代表にも選ばれました。そして高校3年の02年ソルトレークシティー五輪に初出場。長野開催で五輪に行きたいと強い思いがわき上がったからこそ、4年後の五輪出場につながりました。

 五輪には出られましたが、メダルは見えません。当時は日本人では世界で対等に戦えないことが常識でした。06年トリノ五輪も9位。日本にいたままでは世界で勝てない。単身でスイスに渡る決意をしました。月から金曜まで代表と練習。土日はホームステイ先でベビーシッターなど家事を手伝う日々。多忙でしたが、自分の成長を実感できたので楽しくて仕方がありませんでした。

 欧州は競技環境に恵まれ、コーチング能力のレベルも高い。日本との差は今も歴然としています。だから、日本の環境が物足りないと思う選手はどんどん海外に出るべきです。アルペンスキーで活躍した佐々木明選手、皆川賢太郎選手も海外に拠点を置きました。競技は違いますが、今時の人のテニスの錦織圭選手も「米国産」。わたしも世界のトップクラスの滑りを間近で体感してきたことが、メダル獲得に役立ったことは間違いありません。

 東京五輪・パラリンピックの2年前に平昌五輪が開かれます。競技の認知度を高めるためにも、次は金メダルしかありません。22日からは世界選手権(オーストリア)があります。今後もさまざまな困難はあると思いますが、競技が楽しい、好きとの気持ちがあれば、何でも乗り越えられると思っています。東京を目指す選手たちも最初の「楽しい、好き」との気持ちを大切にしてほしいです。(2015年01月21日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。